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概要

高知論叢

14 高知論叢 第113号いずれも本部が提供するC タイプに分かれる。以前は酒販店等の個人経営者がコンビニへと事業転換する前者のタイプが多かったが,近年では脱サラ組がコンビニ経営に参入する後者のタイプが主流になっている。同表は,いずれもC タイプの契約内容であり,加盟時に250~300万円を支払うことが条件になっている。契約締結後は,本部で経営店舗が用意され,60日ほどでオーナー研修や店内設備ならびに従業員確保等,開店に向けた準備が進められる。こうして無事開店に至るわけであるが,チェーンの商標・商号を活用し,本部の経営ノウハウ・運営システムに従って営業を行うため,オーナーは営業開始直後から売上額の一定割合をロイヤルティとして本部に支払う仕組みになっている。このように,大手コンビニ資本は,レギュラー・チェーンのように自己資本による投資を行わなくても,フランチャイズという非所有の契約関係を通じて店舗を飛躍的に拡大することが可能なのである。ここで注意しなければならないのは,こうした契約関係は,本部が謳う加盟店との「共存共栄」とは裏腹に,実際には双方の間で非対称な力関係が働いているという点である29。まず第129 ここでは, 大手各社のフランチャイズ契約の要点と解説の他, 本部と加盟店との軋轢を歴史的に検討した川辺信雄「コンビニFC システムにおける本部対加盟店の軋轢と表3 コンビニ各社の契約とロイヤルティセブン- イレブン(C タイプ)ローソン(Cn 契約)ファミリーマート(2FC-N タイプ)サークルKサンクス(SC3タイプ)加盟金255万円307.5万円307.5万円300万円契約期間15年10年10年10年ロイヤルティ売上総利益チャージ総粗利益高チャージ営業総利益本部フィー売上総利益額ロイヤルティ開店5年目まで6年目以降~250万円54% ~300万円45% ~300万円59% 57% ~240万円37%250万~400万円64% 300万~450万円70% 300万~550万円63% 60% 240万~340万円57%400万~550万円69% 450万円~ 60% 550万円~ 69% 66% 340万円~ 62%550万円~ 74%注: いずれも本部が用意した店舗で加盟者が契約するタイプ。24時間営業の場合。売上総利益は1 ヵ月分。ロイヤルティは,総利益の各階層部分に率をかけたものを合算して算出される。出所:各社フランチャイズ契約の要点と概説(2015年版)より作成。