ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

コンビニエンスストアの全国浸透と地域経済 21間に常用雇用者総数は約2割減少しているが,その中でも食料品スーパーとコンビニ,ドラッグストアでは,逆に雇用が拡大しているのが確認できる。中でも増加の牽引役となってきたのが,コンビニとドラッグストアであり,12年間でそれぞれ44%,33%の増加を記録している。さらに,雇用面の内実を掘り下げるべく,常用雇用者の内訳を正規・非正規別に検討してみよう。すると,食料品スーパーとドラッグストアは,正社員の減少をパート・アルバイトの増加で補充しているのに対して,コンビニでは正社員とパート・アルバイトの双方で雇用が増える結果となった。ただし,常用雇用者全体に占めるパート・アルバイト比率に着目すると,コンビニでは9割強がパート・アルバイトと圧倒的多数を占め,正社員は少数派にすぎないことがうかがえる。したがって,コンビニの店舗数の増加は,確かに県内において関連雇用の増加を生み出したものの,その大半は非正規雇用の増加にすぎず,そのことが他業態・他業種を含めたパート・アルバイトの労働需要に影響を及ぼすようになったことが推察される。以上のように,1990年代以降,高知県では食品小売業が全般的に縮小傾向にある中,コンビニが次第にプレゼンスを高めてきており,県内の小売販売市場単位:人,%増減率(2002~14年) パート・アルバイト比率パート・アルバイト等 計 正社員・ 2002年 2014年正職員パート・2002年 2014年 アルバイト等21,754 18,437 ▲19.7 ▲25.5 ▲15.2 56.5 59.7146 0 ▲72.4 ▲58.2 ▲100.0 34.1 0.01,180 548 ▲57.2 ▲67.3 ▲53.6 73.7 79.94,684 5,655 6.4 ▲27.5 20.7 70.2 79.71,524 2,153 43.8 85.7 41.3 94.4 92.7482 757 32.6 ▲10.8 57.1 64.2 76.02,485 969 ▲56.7 ▲48.7 ▲61.0 65.2 58.71,224 713 ▲41.8 ▲41.8 ▲41.7 60.7 60.7