ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

36 高知論叢 第113号展開していた地場スーパー・サニーマートが,2015年2月にスリーエフとのエリア・フランチャイズ契約を打ち切る一方,物流や商品施策でより優位に立つローソンへのくら替えを図る決断を下し,エリア・フランチャイズの運営会社「ローソン高知」を共同出資で立ち上げた。これにより,高知県内のスリーエフ66店はローソンへとスライドし,ローソンの県内店舗数は一挙に123店へ倍増するとともに,スリーエフ時代の店内調理やTSUTAYA の返却ボックス配置も継続する等,大手資本のインフラと地場資本のカラーとを共存させる取り組みを開始した65。一方,2004年に運営会社が合併したものの,ブランドが併存していたサークルKとサンクスは,サークルK四国とサンクス西四国が2014年末にサークルKサンクスの完全子会社となり,全国に先駆けてサークルKブランドに統一する方針が表明された66。その後,サークルKサンクスは,Ⅰ章で述べたファミリーマートとの経営統合の結果,一本化されたばかりのサークルKの店舗は2017年よりファミリーマートへ集約される方向に進んでいる。さらに,ファミリーマートについても,地場スーパーのサンプラザと2015年12月に包括提携契約を結び,2016年にはコンビニ・スーパー一体型という新タイプの店舗を出店させている67。このように,セブン-イレブンの進出に伴い,高知県内では「第2次コンビニ戦争」の様相を呈するようになった。再度表9を基に,2015年現在の到達点を確認しよう。上記のように,スリーエフはローソンへ完全にくら替えし,サンクスもサークルKへの一本化を進めた結果,ローソン,ファミリーマート,サークルKの上位3社で,県内店舗シェアの86%という圧倒的な支配力を誇るようになった。ここに,新たにセブン-イレブンが参入し,出店攻勢をかけていることから,今後は外来の大手コンビニ資本によるシェア争いが激化するこ65 「『スリーエフ』66店くら替え 高知のFC,ローソンに」『日本経済新聞』2014年10月28日付,「“サニー”ローソン開店 県内まず10店 店内製造も継続」『高知新聞』2015年2月6日付。66 「サークルKに店舗統一 四国内のサンクス全110店 来月高知市から ブランド強化へ」『高知新聞』2015年2月27日付。67 「コンビニとスーパー一体化 南国市に1号店 サンプラザ,ファミマと新業態」『高知新聞』2016年3月25日付。