ブックタイトル高知論叢

ページ
45/148

このページは 高知論叢 の電子ブックに掲載されている45ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

高知論叢

コンビニエンスストアの全国浸透と地域経済 43は1962年で,1984年に現在の社名に変更している。事業内容は,業務用を含むスーパー14店やホームセンター等を経営する他,1985年より「ハッピーライナー」という名称で,買い物が不便な中山間地域や福祉施設での移動販売を行っているのが,同社の特徴である。ちなみに,2015年の県内売上高ランキングでは第21位,スーパー業界では県内第4位の存在である 。サンプラザがコンビニ事業に関わるきっかけは,2012年頃のファミリーマートからのアプローチであった。当初は「コンビニはどうか」と思っていたが,世の中の流れもあり,またコンビニ特有の自動発注システムや品揃えの早さにも関心があったことから,「試しにどんなものだろうか」とやってみることにしたという。2014年4月に,地元・土佐市で空き店舗の後継として1 号店を出店後,高知市内で2店舗出店した。この2店舗のうち1店舗は元々ファミリーマートの店舗であったが,当時オーナーが高齢で,契約更新時にリタイアすることになったため,その跡をサンプラザが引き継ぐ形をとったものである。こうしてコンビニ事業に次第に関わっていく過程で,同社がハッピーライナーを展開していることもあり,買い物が困難な小商圏で一緒に展開しようという話が持ち上がった。そこから2015年10月に包括提携契約を結び,2016年4月に4号店となる「コンビニ・スーパー一体型店舗」を南国市内にオープンした。この一体型タイプは,県内では初登場で,全国では大阪,東京,愛媛,新潟についで5例目であるが,コンビニの利便性とスーパーの品揃えを一体化したのが大きな特徴である。開店に際しては,高知県産木材を使用したテーブルと椅子を備え付けたイートイン・スペースも,あわせて設置した。次に,具体的な店舗運営について触れよう。現在経営している4店舗の店長とマネージャーについては,サンプラザの社員を100%子会社である鏡川商事経由で出向させる形をとっており,その下でアルバイト・パートを各店12~13名雇用している。また,コンビニ・スーパー一体型店舗では,現場の店舗経営に加えて,サンプラザが肉や魚,野菜等の生鮮食品や日配品を納入する役割を担っており,惣菜についても自社の近隣店舗から1日2便配送している。各店では,これらサンプラザの商材に加えて,地元食材も10品ほど扱っているが,実際に始めてみると,賞味期限の基準・表示,配送に至るまで,ファミリーマー