ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

46 高知論叢 第113号こうして,スリーエフからの転換によって,ローソンの店舗数は倍増し,2015年6月時点で133店舗に達した。5店の直営店以外は,すべてオーナーとのFC 契約で,旧スリーエフの店舗については,オペレーションに負荷のかかる直営店は整理し,オーナー店はローソンに全て切り替えられた。切り替えが必要なオーナーとは10年契約を結び,ゼロからの再スタートとなったが,オーナーからは特に反論は出なかったという。転換後はシステムが変更になるため,オーナーに負担がかかると思われるが,そこは慣れてもらうしかないとの立場である。各店の商品調達は,四国中心で進めており,県外の工場から配送しているが,野菜についてはサニーマートと同じ県内卸売業者を利用している76。また,全国チェーンでは扱えない菓子や店内調理用の食材等も,地元業者と取引している他,県産食材を使った弁当や県内でのCM 制作にも着手した。あわせて,ローソン・ブランドの3商品をサニーマートの店舗で販売する等,商品の相互交流も始めている。スーパーとコンビニでは客層に若干ズレがあるため,「ボーダーレス」展開を図ることで,トライアル・ユースを通じて双方の客層がお互いに流れるといった相乗効果を目指している。なお,ローソン高知では,年間10店ペースで出店を計画しており,配送ラインが途切れている箇所に出店する方向で進めているが,経営環境が厳しいため,スクラップ&ビルドで進める方針だという。現在の課題は,オーナー候補が低迷していることであり,応募者は年間10名程度にとどまっているという。したがって,現在ローソンを経営しているオーナーに,複数店兼営を持ちかけているとのことである。もう1つの課題は,パート・アルバイトの不足である。ローソン高知からは従業員を派遣できないので,CM 等で募集を支援する他,オーナーへのコーチング支援や従業員に対するオーナー昇進制度等の環境整備を行っている。ただし,従業員を定着させるために賃上げをするような場合には,各店が売上を上げて負担を吸収するしかないとのことであった。76 ただし,カット野菜は,岡山県倉敷市の工場から配送している。