ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

90 高知論叢 第113号トし,楢葉町社会福祉協議会が運営してきた。機械浴や一般浴等が利用できる。再開時は,被災者の居場所,コミュニティという位置づけであり,2016年3月からは,介護保険事業所として位置づけ直された。被災前は32名の定員であったが,現在は職員の関係で20名定員となっており,実際には26名( 1 日平均8 名)の利用がある。職員は6 名(うち登録2 名)であるが,訪問系サービスはこれからも利用が増えると見込まれている。厨房が設置されているが,調理職員を募集しても確保できないために,昼食はいわき市から弁当を配達してもらい,それを温めて食べる形をとっている。利用者からは,自宅での入浴に不安があった,コミュニティとしての機能を果たしている,運動の場となっている,という声が聞かれるという。26名の利用者のうち,女性20名,男性6 名であり,年齢は76歳から95歳までの平均85歳となっている。介護保険事業の専門的な通所介護の利用者は15名であり,残りの約10名は総合事業(制度改革に伴い,2015~17年度の期間中に,要支援高齢者は原則として地域支援事業の介護予防・日常生活支援総合事業の対象として,市町村事業に移行しなければならなくなった)の対象として位置づけられている。以下は,われわれとの質疑応答である。【学生との質疑】学生:利用者の重度化の傾向は見られるか?社協:避難所の方では,そういう傾向が見られる。学生:事業所の経営状況は?社協:非常に厳しい。町の補助金でどうにかやっている。福島県楢葉町(やまゆり荘)2016. 3. 29