ブックタイトル高知論叢

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概要

高知論叢

被災地域における地域共生拠点と地域づくり 91学生:職員は,震災前後で同じか?社協:元々は離職が少なかったが,震災前後でかなり変化した。教員:震災後のサービス提供で,どのような点に配慮しているか?社協:震災前は流れ作業のようになっていた側面もあったが,震災後は,利用者の不安や心の傷に耳を傾けるようになった。教員:昼食は,弁当配達を続けることになるのか?社協:厨房のスタッフを確保できるかが課題であり,また,(確保できるとしても)経営面や税金面を考えると,やっていけない。学生:利用者は,どのようにして来るのか?社協:送迎している。送迎がないとここまで来るのは難しい。教員:元の住民が楢葉町に戻ってくる見込みはどの程度あるのか?社協:町のアンケート調査によれば,戻る条件が整えば戻るという避難住民の割合が48%であったことから,2017年4月時点の帰町目標は,町民の約半分(約7300名)をめざしている。楢葉町に移住してくる人もいるし,楢葉町といわき市を往き来する人が増えている。リフオーム一つにしても順番待ち(4年半~5年)であるが,だいたい1年かければ,リフオームか新築ができる。一番困っているのがトイレであり,なかなか業者が追いつかない。学生:訪問介護が増える見通しの根拠は何か?社協:高齢の住民が戻ってきている。入浴や掃除が自分では限界という人など,訪問介護の需要も増えるだろう。町内には,認定こども園(「あおぞらこども園」)があるので,今後,共生型をめざす。高齢者との交流などの余地はある。③ 福島県立大野病院附属ふたば復興診療所楢葉町内にある「ふたば復興診療所」は,2015年12月に完成し,内科と整形外科の2科,診察室4部屋が設けられており,リハビリ,CT,レントゲン,超音波などの技術が用いられている。内科は,福島県立大学から毎日往診があり,整形外科は,診療所長が担当している。その他,看護師4名,放射線技師