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概要

高知論叢

被災地域における地域共生拠点と地域づくり 97(2)宮城県石巻市・気仙沼市における取り組み⑥ 共生型福祉施設「はぴねすぷらざ」(石巻市)宮城県石巻市には,社会福祉法人「夢みの里」が建設した共生型福祉施設「はぴねすぷらざ」がある。2013年度の国の補助金を受け,2014年6月にオープンした。子ども,障害者,高齢者が「一つ屋根の下」で暮らすことを理念に,高齢者デイサービス(定員15名),宅老所(定員4名),障害者デイサービス(生活介護:定員20名),障害児・障害者の日中一時支援(定員3名)などを展開し,2016年4月からは,高齢者の居宅介護支援事業所をスタートさせている。さらに,障害児の放課後等デイサービス(未許可)の他,障害者の相談支援事業所を近くにオープンする予定である。法人としては,他に保育所も2ヶ所運営しており,保育所や近所からも子どもが来訪する。開設時は従来のタテワリで高齢者と障害者のスペースは分かれていたが,1つのスペースで共生型に変更された(登米市のNPO が運営する「笑いの館」がモデルとされた)。今まで分かれていたものを一緒にするには,職員全員の協力が必要であり,先進施設を視察し,志気を高めた。小さい問題はいろいろあったが,共生型のメリットは大きく,職員同士の交流,情報の共有,支援の共有化を図った。利用者も最初は戸惑いがあったが,誕生会等をするうちに笑顔が増えた。不穏になる人もいたが,高齢者にとっては孫のような他世代の利用がかえってストレスの発散につながっている。障害者の7~8割は精神障害宮城県石巻市(「はぴねすぷらざ」)2016. 3. 30