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概要

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住民による住民のためのビジネスの必要性 95なる拠点を整備し,3年先,5年先,10年先の将来にわたって地福が安心して生活でき,誇れる故郷であるための地域づくりを推進することである。そして,高齢者が抱える不安も,団塊の世代が抱える不安も,子育て世代が抱える不安も,ともに地域で共有し知恵を出し支えあいながら,協働により解決していくことで,笑顔で安心して暮らせるような地域づくりを目指す,というものである。「地福ほほえみの郷構想」をまとめた意義は,地域の将来ビジョンの明確化,共有をはかることができたことにある。「地域の絆でつくる,笑顔あふれる安心の故郷づくり」というキャッチフレーズのもと,地域住民の合意形成をはかり,2011年12月,地福ほほえみの郷運営協議会を母体に交流拠点の運営を開始した。交流拠点の開設に当たって,開設支援金として1世帯2000円を地域の約600世帯から拠出してもらった。その他に同窓会などにも呼びかけた結果,開設資金として170万円を集めることができた。一方で,JA の旧店舗はすぐに使えるような状況ではなく,100万円をかけて改装し,残りの70万円を仕入れに充ててスーパーの運営を開始した。改装時に,店舗内を2つに仕切って地域交流スペースもつくった。交流拠点の名称は公募で決めることにしたが,「トイトイ」の名をつけることで問題なく決まった。「トイトイ」は,地福地区に伝わる民俗行事における地域の誇りであり象徴であるので,そのように命名した。そして,2012年4月,地域主体の交流拠点として「ほほえみの郷トイトイ」がオープンした。交流拠点をオープンしてから,移動販売での交流を通じて,地域の女性グループによる「トイトイ工房」の自主的な取り組みが始まった。総菜屋さんを営んでいた女性が中心になって,惣菜,弁当の製造に取り組んでくれるようになった。山口県の補助を利用し,活動3年目に加工場を隣接して整備し,地域の交流拠点の新しい構成部分になった。活動を軌道にのせながら,活動開始3年目の2014年には運営組織の形態をNPO 法人化した。認可地縁団体では意思決定に時間がかかってしまい,株式会社だと一部の人の利益にしかならないというイメージもあり,法人化するに