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概要

kouchirouso_114_20180329

氷 雪 販 売 業 者 と 氷 113図3 純氷の生産プロセス②1.原料水(ろ過) 純氷の原料水は水道水で,これをろ過することによって,水道水に含まれている大抵の不純物を取り除く。また,地域によっては天然水を原料水として使う製氷企業もある。2.アイス缶・ブライン(不凍液) 氷缶は約1m×0.5m×0.3mの大きさで約135kg の純氷ができ,氷缶を冷やすために使われるブラインには,通常塩化カルシウム溶液が用いられる。ブラインの温度を低くすると,氷が早くできるが,不透明になるなど氷の質が悪くなる。そのため普段は,-8~-12℃に設定され,48~72時間かけて純氷がつくられる。3.撹 拌 純氷をつくるために氷缶内の原料水は常に空気によって攪拌する。そのことによって,純粋な水が氷缶に接している部分から凍っていく。攪拌を行わない場合,水は表面から凍りはじめるため氷の中に空気が取り残されてしまい,半透明の氷になる。4.吸い取り 攪拌を行いながら純氷をつくると,徐々に中央に不純物(カルキ等)を含む水が凍らずに集まる。この水をすべて捨てることによって,内部を洗浄したあと,再び原料水を入れ,純氷づくりを続ける。5.脱 氷 最後に氷缶から純氷を取り出す際,氷は温度差に非常に弱いので,急激な温度変化によって亀裂が入る。そのため一度常温の水に浸して,慎重に氷を取り出す。6.純氷の完成 このようなプロセスを経て,純氷は完成する。出所: 全国氷雪販売業生活衛生同業組合連合会web サイト(http://www.icenet.or.jp/secret/secret2/)を参照し,筆者作成。このような工程を経て生産された純氷は,天然氷との対比の中で人造氷とも呼ばれている。そして,人造氷を生産する製氷企業は,氷雪製造業と呼ばれる