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概要

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160 高知論叢 第114号まず,給食実施と献立の中身に触れておこう。表掲は省略したが,給食回数については,いずれの市町村も,175~200日の間に収まっている。このうち,米飯給食は,週4~5回が大半であり,中には越知町のように月2回以外はすべて米飯給食という地域も存在する。かつてのパン中心の食事から米飯中心の食事への主食シフトは明白である。ちなみに,炊飯方式は,高知市以外はすべて自校・センターで炊飯が行われており,高知市についても,行川,浦戸,布師田の各小学校では自校炊飯が実施されている。こうした自校炊飯の中でも特筆すべきは,南国市における自校炊飯の取り組みである。同市では,1998年よりすべての小学校で家庭用電気炊飯器の導入を開始し,1クラスにつき1升炊き炊飯器2台を設置して,地元の棚田米を子どものいる教室の中で炊飯する取り組みを行っており,後述のように県内のみならず全国的にも注目されるようになった。また,副菜の品目数については,1~2品が8地域,2品が8地域,2~3品が7地域という分布であった。デザートについても,週1回が15地域,0~1が6地域となっている。一方,献立づくりについては,自治体内での統一献立が15地域,残り9地域が施設別献立であり,県内では統一献立の方が多いという結果であった。統一献立については,地域に1施設しかない自治体が11地域,残りは複数施設をまたぐ統一献立である。後者については,複数の学校で同一献立の給食が提供されるというもので,高知市は41施設,南国は13施設で統一献立の給食が提供されている。高知市については,自校方式であるとともにトータルの食数が多いことから,市内の学校を5グループに分け,5つの献立を1ヵ月かけて回す方式をとっている。ただし,市内の旧春野地域だけは,旧高知市との合併前からの方針を継続し,JA 春野との食材提携に基づくオリジナル献立を現在も実施しており,子どもや保護者からは好評である。これに対して,施設別での献立づくりは,自校方式とセンター方式の双方で存在する。自校方式かつ施設別献立は,東洋町,いの町,須崎市,安芸市,奈半利町の5地域,域内に複数あるセンターで施設別献立を提供しているのが,香南市,津野町,四万十町,宿毛市の4地域となっている。施設別献立では,