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概要

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高知県における学校給食の現段階 161各調理場において栄養教諭が独自に作るものであるが,須崎市では,市全体で参考献立を配布し,それを基に施設ごとに適宜変更しているとのことである。2.献立の工夫では,各地域では,献立作成にどのような工夫を凝らしているのだろうか。これについては,15自治体から回答が得られた。まず第1に,児童の要望を取り入れた楽しい献立が挙げられる。例えば,高知市は統一献立が基本であるが,月1回は学校独自の献立で給食を提供している。また,南国市や四万十町では児童からのリクエスト給食,黒潮町ではアンコール・メニュー,三原村では年2回の「バイキング給食」「青空給食」が提供されている。こうした児童・生徒が好む料理だけでなく,本当の味を体験させる工夫も,第2に挙げられる。例えば,日高村では,米飯中心で家庭でも生かすことのできる献立にしたり,可能な限り手作りで料理を作り,だしやスープもうまみ調味料を少なくした自然の味を提供している。第3に,地産地消給食であり,檮原町,北川村,安田町,いの町,仁淀川町をはじめ,県内で広範に実施されている。中には,地元産食材を使った月1回の「つのっこメニュー」(津野町),月1回の「高知の食べ物いっぱい入っちょう献立」(三原村)をはじめ,安芸市では毎月17日にナス料理を提供する「茄子の日」,15日はちりめんじゃこを使用する「じゃこの日」,郷土野菜である入河内大根の季節限定使用等,地元産品を定期的に取り入れる献立を作成しているところもある。他にも,南国市では,年1回ではあるが,すべて南国市産のものを使用した給食づくりを手がけていたり,大月町では,食材にとどまらず,郷土料理の提供まで及んでいるケースも見られる。3.食育の取り組みさらに,献立の工夫のみならず,食育の面でも,様々な取り組みが行われている。食育については,ほぼ全ての自治体で実施されているが,最も多かったのが,食についての情報提供である。校内放送や教室に出向いての情報提供が主な活