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概要

kouchirouso_114_20180329

高知県における学校給食の現段階 167の連絡を取って,献立調整」(宿毛市)という工夫を行う点で共通している。他の地域でも,「地元業者と毎月確認し,地元産で頼める物を注文している学校もある」(いの町)や,「直販所の積極利用」(越知町),「地元業者が野菜の庭先集荷をしており,その中で給食に使えるものを回してもらっている」(仁淀川町)とあるように,地元生産者の組織化・連携や,季節や生育状況に対応した情報共有が,地産地消向上の鍵であるといえよう。今後は,すべての地域で県の目標値である地産地消率5割を超えるだけでなく,自治体レベルでも域内産比率を高めていく取り組みが一層求められよう。2.品目別でみた調達状況以上は,トータルで捉えた地産地消率であるが,実は食材には多様なものが含まれており,品目ごとに調達方法や産地に差異が見られる。そこで,表5を素材に,個別に検討してみよう。①コメ 地元産(市町村内産)にこだわる傾向が顕著であり,24地域中,19地域に上った。県内産まで含めると,すべての地域で100%に達している。仕入れ業者は,地域のJA や地元業者が中心である。コメは,地産地消が最も進んだ食材であるといえる。②パン 県内産・国内産という回答がみられるとともに,地元業者から仕入れる地域も存在している。ただし,原料の小麦については輸入物中心であると予想される。その中でも,檮原町のように,小麦は国産,米粉は町内産というこだわりが特筆される。③牛乳 県内産が24地域中,13地域と半分にとどまり,残りは四国内(7地域),その他国内(4地域)となっている。県内には大手乳業メーカーが不在であることが影響しているが,県内トップメーカーのひまわり乳業の他,室戸市では高田乳業,佐川町では吉本乳業という地元メーカーからの仕入れも行われている。④野菜・果物 地元生産者グループ・地元業者・JA 等から地元産を調達しているのが24地域中18地域と,比較的多いのが特徴的である。コメと並ん