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概要

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172 高知論叢 第114号からの調達を意識している自治体も存在している。第2に,地産地消を進める際に,地元の生産者グループ・業者やJA 等と連携し,調達方法を工夫している点である。例えば,自治体内の直販所・道の駅から仕入れるケース(越知町,日高村),四万十市のようにJA が給食部会を立ち上げて組織的に対応するケース,さらには南国市のように市の農林水産課とJA が連携して,JA 出資法人から仕入れを行っているケースが代表例である。地元業者からの方が臨機応変に対応できるメリットがあることから,地産地消を推進するポイントは,地元業者との連携であるといえる。第3に,地産地消を献立と合わせて進めるユニークな取り組みもみられる点である。その一例として,年に2回すべての食材を地元産で調理する「大月食事100%給食」を実施している大月町や,年1回すべて地場産の給食を提供する南国市の取り組みが挙げられる。第4に,地産地消推進における自校方式のメリットである。安芸市の例にあるように,自校方式だと地元業者・農家とのつながりがあり,朝どれの食材が使用できる。その意味で,小規模な調理場だからこそ,比較的少量で融通がききやすい地元からの食材調達が可能であり,地産地消に貢献する可能性も高くなるといえる。逆にいえば,大型センターの場合は,地産地消推進において困難が生じることになる。以上,食材調達と地産地消について検討を行ってきた。本県全体では,現時点での地産地消率が5割目標に到達しておらず,市町村レベルでもその水準に達していない地域が存在する。地産地消はまだまだ伸びる余地は十分あると考えられることから,調達方法や献立を工夫しながら,学校給食を軸にいかに地元農業者との連携を意識的に強化していくかが,今後の課題であるといえよう。Ⅳ 県内学校給食の財政・運営状況1.給食費と給食財政の動向本章では,給食の運営状況について検討してみることにする。給食の運営において,施設設備費・人件費は自治体負担であるが,食材費等