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概要

kouchirouso_114_20180329

174 高知論叢 第114号円まで幅がみられた。これは,地域の児童・生徒数や施設数・規模と関連しているといえる。また,給食関連予算が「増加した」自治体は5地域,「変わらない」が11地域,「減少した」は2地域であった。今回の調査では増加の理由は不明であるが,最低賃金の上昇による人件費増加が,要因の1つとして推測される。2.調理体制の動向次に,学校給食の運営の土台である調理現場に視点を移してみよう。表6は,各市町村の調理従事者を示したものである。すでに述べたように,県内では調理業務を直営にしているケースと,外部委託するケースが存在する。調理員が空欄の自治体は,調理業務を委託に出している地域である。一方,外部委託はあくまで調理・運搬業務に限られており,献立作成や食材調達については自治体側が責任を持って実施することになっている。そのため,栄養教諭は自治体が配置する必要があることから,委託に出している市町村を含むすべての市町村で栄養教諭・栄養士が存在することになる。以上を踏まえ,栄養教諭についてみてみよう。同表より,児童・生徒数の規模と調理場の数に応じて地域差がみられる。最大は高知市であり(20名),次いで南国市(7名),いの町(5名),四万十町と四万十市(4名)の順となっている。人口規模でみると,南国市以外に,四万十市の約半分で土佐市・須崎市よりも人口の少ない四万十町の栄養教諭の多さが目立っている。一方,栄養教諭が1人の自治体が14自治体に上り,今回の調査地域の6割弱を占めている。また,後述の香南市のように,給食施設の統合化に伴って栄養教諭の人数の合理化が行われるケースも存在する。これからますます必要となってくる学校給食の献立の創意工夫や食育活動の推進のためにも,栄養教諭の絶対数の増員と役割強化に,各自治体では政策的に一層取り組んでいく必要があろう。これに対して,調理員については,どのような体制が組まれているのだろうか。表6は,直営調理場のみのデータであるが,高知市,南国市,香南市,須崎市,土佐市をはじめ,多数の調理員が各市町村の給食に従事している。その内訳を見ていくと,正規職員以外にパート職員の多さが目立っており,半数以