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概要

kouchirouso_114_20180329

高知県における学校給食の現段階 185川村),「口座振替でなくPTA 役員が現金で集金」(安田町)といった様々な策が講じられている。もう1つが,施設の老朽化対策である。「建物の老朽化に伴う建て替えが急務」(檮原町)という市町村が多く見られ,「修繕で対応」(北川村),「今後,施設の老朽化を解消すべく,給食センターを建設予定」(いの町)といった課題が指摘された。2.学校給食の意義と今後の展望最後に,学校給食の当事者が考えている給食の意義についてまとめよう。まず,今回の回答の中で多く挙げられたものの1つが,学校給食を通じた子どもの発達保証である。「食を通して,豊かな人間性を育てていく」(安芸市),「よりよく発達するための手助けとなるような給食の提供」(東洋町),「成長期にある児童生徒の心身の健全な発達のため,栄養バランスのとれた食事を提供すること」(土佐市)というのが,代表的な意見であった。「保護者だけでは補いきれない部分を給食(食育)を通して育んでいく」「食を通して豊かな人間性を育てていく」(安芸市)のが,学校給食の本来の役割であるといえる。もう1つが,食育のツールや地産地消としての意義である。「今後も引き続き地産地消に取り組んでいく」(安田町),「安全でおいしい給食を出すこと。食育のツールとして,自分の食生活管理の教材システムとして普及させること」(高知市)が,現場では目指されている。それは,「地産地消の活用による郷土料理や行事食を通じて,地域の文化や伝統に対する理解と関心を深めることができる」(土佐市)からである。以上のように,学校給食は,人間発達において重要な役割を担うとともに,教育現場に根ざしながら地域とのつながりを形成する役割も担っている。これからの学校給食は,こうした給食の意義に立ち返りながら,あるべき方向性に向けて改革を進めていくことが一層求められているのである。おわりに以上,本稿では,高知県における学校給食の現段階を,各種ヒアリングなら