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概要

kouchirouso_114_20180329

横川和博先生インタビュー 189好きで,で,ロシア語を勉強してて。だからロシア語をせっかく勉強してるんだからソビエト法をやらんかという……。で,そうするとマルクス経済学を避けては通れない。レーニンもロシア語で読みましたけど(文体が好きで),マル経全盛の時代ですから資本論は読んだんですけど,私はその当時,近代経済学といった今の経済学が面白くて,市場の分析とか,だから二本立てです。だから,今の大学の教員なんかで資本論を読んだ法律学者というのはちょっと珍しいんじゃないかと思いますが,あの当時は別に普通だった。岡田 なるほど。ちなみにそこで経済学を勉強されたことは,経済法をやっていく上で役に立ちましたか。横川 役に立ちましたね。まずは市場分析を経済学的に考えるというのと,あとはマル経やってましたから,市場だけでははかりきれないものがあるというような,市場の外から眺めるというような感覚も身についたなと。どうしてもそうすると,異端の経済法学者になっちゃいますけど。市場だけやるんだったら市場の中でちゃんと法解釈をしないといけない。けど,市場の外,外部を見ちゃうと,労働とか環境とか見てしまうというところがありましたかね。岡田 その同世代の経済法学者のみなさんは,そういう経済学,マルクス経済学とか近代経済学みたいなものは……。横川 マルクス経済学全盛です。マルクス主義法学というのがあったんですわ。その中心が早稲田だったんで,もうマル法全盛の中で,私はソビエト研究をやってたんで,あんなものは社会主義ではないというふうに思っちゃって,そっちでも異端になりました。(笑)岡田 なんだか異端ばっかりですね。(笑)横川 うん。ずっと隙間を流れてきたというか。岡田 ちなみに,その大学院に進むというのは,もう大学に入る前から決めていたのか,それとも大学に入ってから……。横川 うん。いや,もう出来心ですね。4年生でやっと勉強したくなった。で,早稲田はマスプロ教育ですから,先生と全然お話しすることってないし,もう刑法のゼミなんていうのは,出席してなくても全員「優」みたいな,50人