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概要

kouchirouso_114_20180329

190 高知論叢 第114号ゼミとかそんなのですから。大学院に行ったら先生と議論できる。ですから,他の大学の感覚でいったら,大学院からが大学かなと思いますね。岡田 修士課程に進んだときは,研究者になるということは考えていらっしゃったんですか。横川 なかったですね。ドクター行ってもまだ考えていなかったかな。岡田 そうなんですか(笑)では,すごく研究者になりたいと思って大学院に進んだっていうわけではない……。横川 うん。わけではない。ただ,研究はどんどん面白くなっちゃったんで。研究が面白くなるとどんどん使い途がない人間になって。司法試験も受けようと思ってたんですけど,もうそんなこと言ってる場合じゃなくなっちゃったから,学部のうちに受けといたらよかったなと思いましたね。岡田 なるほど。運命ですね,きっとこれは。横川 運命ですね。うん。岡田 大学院に入って,最初に取り組んだテーマは結局何に。横川 何というか,「独占」という言葉がありますけど,経済法にいう独占というのは市場における独占なわけですよね。だけどもう一つやっぱりマルクス経済学的な巨大な経済体みたいなものが市場でどう評価されるかって。要するに市場の中では市場のシェアはそれほどじゃないけど,背景にものすごい経済力があると。例えば,財閥とかいうものが現代法でどう解釈されるかというのをとりあえずやろうと思って,で,大失敗の修士論文を書いたんですよ。岡田 それはどこか特定の国をテーマにしたとか,日本とかになるんですか。横川 一応,解釈論に持っていくときには,一番影響力があるのはアメリカなんで,その段階ではアメリカの事例を取り上げて,なんとかそういう巨大な経済力みたいなものを法解釈に入れられないかということを考えましたけど。岡田 それは修士論文。横川 うん。大失敗。岡田 (笑)みんな失敗しますけどね,修士論文。横川 うん。