ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

kouchirouso_114_20180329

横川和博先生インタビュー 191岡田 で,じゃあ,その博士課程に進まれてから今度はどういう?横川 それで,要するに早稲田の宮坂富之助先生の研究室だったんですけど,宮坂先生はマルクス主義法学で,で,私みたいな研究を応援してくれる先生だったんですけど,これではちょっと法解釈論の論文は書けへんなと。で,そのころ消費者問題が結構面白くなったんで,そこで明治大学の木元錦哉先生のところに移りましてね。木元先生も最初ソビエト法を研究したほうが面白いんじゃないかと言ってたんですけど,ソビエト法を研究したらもう絶対日本法には戻ってこれないんで(笑) それで,じゃあ,どっかフィールドがあったらいいねという話で,どこが興味あるかというときに,アメリカ法じゃない面白いところといったらイギリスかなということで,イギリスをフィールドにして。そこからがまともな研究らしくなったかなと思いますね。岡田 当時,イギリスの経済法とか独占禁止法みたいな研究というのは,日本ではどうだったんですか。横川 やってる先生,何人かいましたけど,私の研究を見てみなさんやめられた。これはちょっとカットしないといかんので。岡田 今はとりあえず……。横川 うん。やっぱりきちんとイギリスやってない先生方だったんで。要するに先行研究に結構,嘘と誤魔化しがあるということは,私は書きませんけど,人徳者ですから。ただ,もう引用の仕方で間違いがあるということは指摘されてると思われたみたいで,先行の先生方はやめられましたね。日本の外国法の研究というと,特に独禁法だとアメリカかドイツなんですよね。それで,イギリスやってる人というのは,ほんとにその当時私だけって,傲慢にも言いますわ(笑)岡田 (笑)指導してくれる人や,先行文献などがやっぱり大変じゃないですか。横川 (先行文献は)ないですね,うん。だから面白い。自分が翻訳したものが初めてだっていうのが楽しいですね。判例も自分が最初に手にする。今は結構データ化されてますけど,英米法の紙媒体の判例集は,四国の中には全部はありませんからね。早稲田には幸いなことにあったんですよ,判例集が。あれがね,すごいなと思ったんですけどね,早稲田の昔の先生がポケットマ