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概要

kouchirouso_114_20180329

194 高知論叢 第114号横川 その後,帰ってきてから次のくじとか,「横川さん,くじ運いいから代わりに引いて」って言われて,当たりますもん(笑) ほかの人の分も当てました。それで,行かせてもらって,ロンドン大学のバレンタイン・コラー(ValentineKorah)っていう,ユダヤ人のものすごい魔女みたいなおばはん……,うん。まだ生きてるんですよ。今度のイギリスの脱退で本書くって言ってたんですけど,やっぱりちょっと書けへんみたいやから。もう一回,ちょっと会いに……,会いに行く勇気ないな,怖い。岡田 (笑)横川 そういうところ行って,そのバレンタインおばさんが独占禁止法の規制の方向が何で決まるかというときに,本当に一語で端的に言ってるんですけど,要するに企業のトップと行政実務家との間のタフ・ネゴシエーションだと。タフ・ネゴシエーションをやってるという。そこでかなり厳しい合意が取れるというんで,それを見に行って。タフ・ネゴシエーションっていうのは,どんなのかって,それ,見たかったんですけど,すごい高級クラブの奥の密室でされているみたいで,バレンタインおばちゃんは庶民階級の出だったんで,そこの会員さんじゃなくて,ついに見られなかった。私も入れないと。そういうところでオックスブリッジの卒業生たちが,立場は違っても同窓生として膝を詰め……。日本の料亭政治みたいなものですよね。そういうのが行われて。でもどうしてもその高級クラブというのを見てみたくて,地元の経済界の人に一回連れて行ってもらいましたけど。ああ,こういうところでやってるのかというのを見ただけで,ワイン飲んできただけで,現場は押さえてないです(笑)岡田 記録は残るんですか。横川 残らないですね。ただ,隠れてはやりません。『フィナンシャル・タイムズ(The Financial Times)』なんかにちょこっと載るんです。「昨夜,何々省の誰々と企業の誰々が会って,何々について合意をみた」とかいう数行記事が出て,何が起きてるかっていうのをみんなが……,っていう面白さがあって。で,その話し合いの前提になるのが要するに独占禁止法が作った委