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概要

kouchirouso_114_20180329

198 高知論叢 第114号EU と合体させるっていうのは,無理かな。うーん。岡田 そうか。その基本的な考え方みたいなところは,あんまりイギリスは変わってないですかね。横川 一応,イギリスの独禁法,もう廃止というか,停止させてEU 法に融合させましたんで。だけど実態がそんなに急に変わるはずがない。かなり摩擦はあったかな。だからこれからが面白いですわ。どのくらいリバウンドが来るかっていうの。長々と。こんなのしゃべったの久しぶりや。岡田 面白いですけどね。2001年の「英国における再販規制法の展開と書籍再販」(早稲田法學76巻3号)とか,結論のところとかで,イギリスの話を日本に直接持ってくるというのは,背景などが全く違うので,それはなかなか難しいっていうことを言ってらっしゃるんですけど,一方でイギリスをやって,逆に日本の競争法・経済法にとって有益な視点などはありますか。横川 そもそもイギリスの再販については,紹介されすぎたんですね。要するに日本は著作物の再販を適用除外してて,同じような先輩としてイギリスがあるということで,著作物再販の適用除外の先輩でイギリスだってそうじゃないかというふうにして。これは結構たくさん論文があって。だけどもう前提が違うよと。だから今度は逆にイギリスが再販廃止したからといって日本の著作物再販の廃止の議論にはすぐつながりませんよというつもりで書いたんです。著作物再販について,ちょっと一時廃止の動きがあったんで。岡田 イギリスの競争法,経済法の研究が一つ柱としてあって,同時にほかにも研究に取り組まれていて,消費者法についても取り組まれてきたと思うんですが,このへんはなぜ……。横川 私,早稲田から明治に移って,研究してたんですけど,実質的に最も指導を受けたのは,慶應大学の正田彬教授。三大学またにかけて流浪してるんですけど。正田彬教授のところで研究してて,彼の研究というのは,とにかく消費者法と独禁法を分離させないと。消費者の権利から独禁法も解釈するし,独禁法を消費者問題の解決にも使っていくという研究スタイルであったので,かなり消費者問題については慶應で,研究会でたたき込まれたのと。 これは偶然ですけど,イギリスのあの独禁法も,これは運用が消費者行政と