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概要

kouchirouso_114_20180329

200 高知論叢 第114号岡田 この研究とか,調査されたことは,後でまた社会活動についてお聞きしますけど,「高知市民のくらしを守る条例」とか,消費者審議会の活動につながるということですか。横川 そうですね。そういうことですね。岡田 わかりました。この点はまた,後でお聞きしたいと思います。テーマとして独禁法の実証研究というのが多分あると思うので,論文もいくつか書かれたりもしてるんですが,このへんは院生時代からですか。横川 そうですね。実証研究っていっても数字を集めてくるとか,そういうんじゃなくて,とりあえず見てこないと書けない。これは,早稲田の時代の民法のゼミの篠塚昭次先生という方がそういうスタイルで,判例研究は現場に行って当事者に会ってこないと報告もさせてもらえないというゼミだったんで。判例,どこに当たるかが。もう北は北海道から南は沖縄までありますからね。私の場合は,たまたまくじ運よくて,全部東京の判例が当たったんですけど。遠いところまで行くのもいましたけど,やっぱり見てくると説得力違うかなって思いましたけど。岡田 そうですか。当事者の方々は話してくれるもんなんですか。横川 アポイントメントも取れないです。だからもう行っちゃう。岡田 行っちゃう。とりあえず。横川 うん。行っちゃう。会ってくれなくてもその人の家の前まで行くだけでもいいっていうのが篠塚先生の教えで。例えば,借地借家法の判例で,ちょっと借地,借家人に不当に厳しい判決があって,そのときに,その当事者がどういう暮らしをしているかだけでも見てこいと。お医者さんが不当に借家人を追い出して別な建物を建てたっていうケースだったんですけど。で,追い出された人が今どういう暮らしをしているかというのと,その病院が流行っているかどうか見てこいということだったんで,見て。「その病院,流行ってるはずはないんです」とかいう強引な先生だった。で,私を指導してくれた独禁法の正田先生も「とにかく見てこい」と,「空気吸ってこい」という人だったんで,空気吸ってきました。論文に活かせたかどうかわかりませんけど,授業はわかりやすくなったと思います。見てきてますからね。