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概要

kouchirouso_114_20180329

ポスト人口転換期の条件不利地域問題 43示されている。Chesnais の人口転換の開始基準,すなわち,高い死亡率に復帰することのない低下傾向が認められた時点は,十分な統計が整備されておらず,それを正確に特定することは難しい。速水のデータよれば,図2に示す時期よりさらに早い時期から死亡率の低下が始まっており(速水 1995,68頁),おそらく,人口転換の始点は1700年代の後半にある。出生率が低下し始める時期はそれより遥かに遅れて1880年頃からである(図2)。その後は死亡率を上回るペースで出生率の低下がみられる。転換が終了する時期は1930年代と考えてよいだろう12。したがって,転換には,100年以上を要したことになる。でも1931年まではイングランドとウェールズのみを示している。12 転換前の自然成長率が不確定であり,こちらの推定も容易ではないものの,速水のデータからは転換前の自然人口増加率は5% 未満である。1930年代には死亡率と出生率がほぼ均衡しており,この時点までに転換が終わったとみてよいと思われる。なお,速水(1995,68頁)も終了時点をほぼこの時期に想定している。図2 イギリスにおける出生率と死亡率の変化注) いずれも1000人当たりの数値である。1931年までのイギリスのデータはフローラ(1987)のイングランド・ウェールズのデータより作成。その後は,United Nations Population Division Departmentof Economic and Social Aff airs World Population Prospects: The 2015 Revision File P による。(https://esa.un.org/unpd/wpp/dvd/Files/1_Indicators%20Standard/EXCEL_FILES/ 1_Population/WPP2015_POP_F11_A_TOTAL_DEPENDENCY_RATIO_1564.XLS  2017年3月10日閲覧)05101520253035401 84 11 84 51 84 91 85 31 85 71 86 11 86 51 86 91 87 31 87 71 88 11 88 51 88 91 89 31 89 71 90 11 90 51 90 91 91 31 91 71 92 11 92 51 92 91 93 31 93 71 94 11 94 51 94 91 95 31 95 71 96 11 96 51 96 91 97 31 97 71 98 11 98 51 98 91 99 31 99 72 00 1出生率(イギリス) 死亡率(イギリス)出生率・死亡率(‰)