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概要

kouchirouso_114_20180329

住民による住民のためのビジネスの必要性 89を考える上では厳しい状況ということになる。地福地区には,教育・子育て施設としては保育園,小学校,中学校がある。公共サービスに関しては,山口市役所の出先となる阿東地域交流センター地福分館があり,その他,郵便局,JA 山口中央ふれあい地福支所,病院が2つある。公共サービス施設の一定の集積がみられるため,ミニスーパーを運営する交流拠点「ほほえみの郷トイトイ」の存在も含め,「小さな拠点」としての役割をはたせる条件は備えている。公共交通機関としては,JR 山口線が通っており,およそ2時間に1本,山口市内方面,島根県津和野方面に向かってそれぞれ運行している。また,阿東生活バスが,水曜日と金曜日に笹ヶ瀧とJR 地福駅前を1便往復しており,1路線1乗車200円で利用できる。長距離のバス便としては,防長交通の運営する東萩駅前と津和野バスセンターを結ぶ路線が地域を通っており,各方面1日5便走っている。(2)NPO 「ほほえみの郷トイトイ」の活動内容NPO「ほほえみの郷トイトイ」は,山口市阿東地福地区において,地域主体の交流拠点を運営するNPO 法人である。2012年に設立された地福ほほえみの郷運営協議会を母体とし,2014年4月よりNPO 法人化した15。NPO の事業分野については,9つの分野があげられている(表4)。2015年度の事業報告書における事業費でみれば,①生活環境の充実を図る事業,②地域福祉の増進を図る事業が中心であることが分かる。①生活環境の充実を図る事業とは,地域内でミニスーパー機能を備えた交流拠点「ほほえみの郷トイトイ」の運営のことであり,最も重点の置かれた分野である。②地域福祉の増進を図る事業とは,交通弱者を対象とした移動販売事業および新しい見守りサービスの開発と,ポケットカフェ開設およびいきいき健康体操の実施を内容としている。NPO が運営している交流拠点「ほほえみの郷トイトイ」には,地域住民の15 NPO 「ほほえみの郷トイトイ」の活動内容については,特に断りのない限り,2017年12月8日に行ったヒアリング調査およびNPO 提供資料に基づいて, 筆者が再構成してまとめている。