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概要

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住民による住民のためのビジネスの必要性 91以上の売上をあげてくれている。「トイトイ工房」の惣菜作りは地域の女性の生きがいづくりの側面がある。「トイトイ工房」は,惣菜部門として一定独立採算でがんばっているが,実際は販売量が少ないので,十分な時給を女性たちに払えていない状況である。当初からみれば多少は時給を上げてはいるが,本人たちが多人数で作業するほうがよいということで,有償ボランティアとして,低額の時給で取り組んでいる。取り組みの主体は65~70歳の女性で,退職後のパート先として,次の世代に引き継ぐことができるようにがんばっている。「トイトイ工房」に来てくれている女性たちは,朝6時半から昼過ぎまで働いているが,同時に,ミニスーパーの消費者としても,また,ミニスーパーの営業担当としても活躍している。例えば,消費者としては棚に並んでいる牛乳の賞味期限の短いものから買うといったように,住民を支える,住民に支えられる拠点を体現している人たちである。また,ミニスーパーには産直コーナーも設けており,30人ほどの販売登録者で,日曜日の定休日以外は開催している。産直については,遠くは萩から,また最高齢は90歳の生産者が自身で持ち込んできたりするが,集荷する場合もある。消費者の声を高齢の生産者に直接伝えることが大事で,自分たちが小さな経済をつくっているという意識で取り組んでいる。鮮魚の扱いは,ロスが多いこともあり,自前ではなく,萩の魚屋さんが週2回移動販売で来ている。一方で魚屋さんは「トイトイ」で日用品を仕入れて移動販売に活用するといったように,お互いにカバーしあって消費者に応える形をつくっている。NPO の行っている移動販売は週5日,阿東全域を対象にしている。最初は週2回で,地福地区のみを対象にしていたが,現在は旧5ヶ村を毎日順番に回っている。毎日違う地域に通うことになるので,同じお客さんと会うのは週1日だけである。軒先まで行き,御用聞きもすることで,お客さんの見守り機能も兼ねている。移動販売は1月あたり約100万円の売上であり,販売員の賃金がまかなえるくらいの状況である。今はNPO の理事長の同級生が早期退職後に販売員をやっており,若い人の雇用として引き継ぐために販路拡大にがんばっている。移動販売は,将来的にはもう1台導入し,週2日お客さんと会え