教員紹介
Teaching Staff

教員紹介

社会科学コース
経済理論プログラム
卓 涓涓

専門
金融ファイナンス
これまでは特に日本の銀行貸出経路について研究してきました。銀行貸出経路とは、金融政策効果波及経路の一つであり、政策金利の変化が、銀行貸出の変化を通じて、企業の生産・投資行動、さらには、物価水準に影響を与える経路です。これまでは主に2000年以降の大規模な金融緩和の銀行貸出経路を通じた効果について、データを用いて検証し、また、日本において銀行貸出経路を効果的に機能させるためには、どのような政策的対応が必要となるのであろうかを検討しています。例えば、地方では、少子高齢化の進展による人口減少が進む中、貸出規模の縮小が予想されており、このような中、地方の資金需要を喚起するためには、どのような政策的対応が必要となるのであろうか、地方銀行はどうリスクをコントロールしながら、将来性のある企業をサポートしていけばいいのか、などを考えています。
最近は、人口の高齢化といった人口構造変化が株価などの金融資産価格に与える影響、アジア地域における金融市場の統合についても研究しています。

主な授業題目と内容紹介

金融論
金融とは、資金余剰者(必要以上にお金を持っている者)から資金不足者(お金を必要としている者)に資金を融通することを意味します。資金余剰者から資金不足者への資金の融通には、直接金融と間接金融の二つのルートがあります。直接金融とは、資金余剰者と資金不足者が直接資金の融通を行う方法です。例えば、資金余剰者は、出資したい企業などの資金不足者の発行した株式を、直接相手から購入して、資金を融通します。一方、間接金融とは、資金余剰者と資金不足者の間に銀行などの金融仲介機関が介在して、間接的に資金の融通が行われる方法です。例えば、銀行は、預金者から資金を預かって、それを原資として、企業向け貸出を行います。このように、資金が直接的、または間接的に資金余剰者から資金不足者へ融通されます。また、この過程では様々な経済現象が生じます。例えば、企業は、投資に必要な資金をいかに集めるのか(株式を発行して市場から集めるのか、銀行から借りるのか)という資金調達の問題に直面しています。この資金の融通に関わる様々な経済現象を体系的に考察する学問は金融論です。金融論は、主に証券市場論、企業金融論、金融仲介論、金融政策論、国際金融論の5つの分野から構成されます。この授業では、それぞれ分野の基礎を習うことで、金融経済を分析するフレームワーク(手法)を理解して、また、それらの手法を応用して、現実の金融に関わる諸問題を考察できる能力を身につけていきます。
マクロ経済学
マクロ経済学は、一国の経済全体を総合的に大きくとらえて、各経済主体(家計、企業、政府、海外)の平均的な特質に着目して、経済全体のメカニズムを解き明かそうとする分野で、ミクロ経済学などと並んで近代経済学の基礎科目として位置付けられています。この授業では、マクロ経済学の基本的な諸概念(GDPや物価水準の計測方法)と理論(財市場と金融市場の相互作用を考察するIS-LM理論など)を体系的に学習することで、経済全体のメカニズムを分析するフレームワークを理解して、また、それらを応用して、現実の経済に関わる諸問題を論理的に考察する能力を養うことを主な目的とします。

卒業論文題目例

コースプログラム制

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