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イエテボリ、スウェーデン

Y. I. (2008年入学)


私は2009年8月から2010年7月までスウェーデン国立イエテボリ大学に公費交換留学をしました。

イエテボリは、スウェーデン第二の都市として栄える港町で、自動車メーカー、ボルボの本社もこの街にあります。首都ストックホルムからはだいたい東京~大阪と同じ距離にあり、X2000という高速列車を使えば、ストックホルムまで約3時間です。
スウェーデンの公用語はスウェーデン語ですが、ほとんどの国民が英語を使用できるため、英語で生活することができます。また、学校でも留学生用の授業はすべて英語で行われます。

留学までの道のり

「大学生になったら1年間海外の大学で学びたい。」



それが私の幼い頃からの夢でした。
当初は英語圏への留学を希望していましたが、高知大学に入学後、所属している国際協力サークルの活動を通じて社会福祉に関心を持ち、スウェーデンへの留学に興味を持つようになりました。

高知大学の提携校に交換留学をするためには、受け入れ先の大学が定める英語能力の基準に達すること、高知大学での成績を定められた基準以上に保つことが必要です。そのため私は入学前からTOEFLの勉強をはじめ、入学後も大学での授業と平行して勉強を続けました。また、2008年夏季休業にはカナダのバンクーバーへ3週間、2009年3月にはアメリカのボストンへ6週間の短期語学留学を経てイエテボリ大学への留学が決まりました。

学生生活

イエテボリ大学では社会福祉に関する様々なコースを受講し、たくさんのことを学びました。

スウェーデンのクラスの雰囲気で印象に残ったことは、クラスメイト同士がとても協力的だということです。その背景には成績評価の方法にあります。スウェーデンの大学での成績は秀、良、不可の3段階で評価され、クラスの中で秀を取る学生は1人か2人、残りは不可の学生を除き全員良の成績が出ます。このシステムでは、学生同士が秀を取るためにライバルになるのではなく、みんなで協力して合格しようという空気が生まれました。課題のレポートや試験も一人だけでアイデアを作り上げてしまうのではなく、互いの意見を交換してさらに考察することができました。

そのため最終試験が近づくと、みんなで大学に残って遅くまで討論して、寮に帰って考察し推敲することを繰り返しました。
競争社会ではないスウェーデンだからこそ、授業に限らずあらゆる場面で自分の考えと向き合うことができたと思います。

スウェーデンの文化

スウェーデンにはfika (フィーカ)という習慣があります。

コーヒーや紅茶を飲みながら甘いお菓子を食べることをいいます。スウェーデンの人はこのfika が大好きです。街のいたるところにたくさんの喫茶店があり、それぞれ雰囲気も置いているものも違うので、喫茶店めぐりをするのも楽しいです。

スウェーデンでは、学校や仕事場でも必ず毎日fika time があります。私のクラスでも毎回1時間半おきにきっちりfika をします。しっかり休憩をするかわり何事にも集中して取り組む習慣、雰囲気があるので、fikaはスウェーデンの人たちにとってすごく大切なものなのだと思います。

旅行

留学生活における大きな楽しみの一つは旅行です。

スウェーデンからヨーロッパ各地へは格安の飛行機が飛んでいるので、週末などは気軽に海外旅行ができます。片道3000円ほどの飛行機に乗って、1泊1000円ほどのユースホステルに泊まり、1年間で18カ国39都市を旅行しました。長期休暇には帰省中の友人宅にホームステイさせてもらえました。

写真はスロベニアの友人を訪ねた時のものです。

オーケストラ

隣町の市民オーケストラにクラリネット奏者として1年間所属していました。


様々な世代のスウェーデン人の方と交流が持て、演奏会や地元行事に多数出演しました。学内の生活だけでは経験できないスウェーデン社会、文化を体験することができました。

帰国後

帰国後は子供の社会福祉に関してフィールドワークと先行文献研究を中心に日本の現行制度を学んでいます。

スウェーデンで学んだことを背景に、このテーマを深め、卒業論文につなげたいと考えています。

留学してよかったと思うことはたくさんありますが、そのうちの一つは1年間日本を離れて生活したことで物事を多面的に見ることができるようになったことです。日本にいるだけでは感じることのできなかった価値観や考えを大切にしてこれからの生活に活かしていきたいです。

イエテボリ大学