教員の著作等
古閑 恭子
- 「ガーナの言語問題−英語主義か多言語主義か—」
- 梶茂樹, 砂野幸稔編『アフリカのことばと社会—多言語状況を生きるということ—』(2009年、三元社)所収
- 1957年のイギリスからの独立以来、ガーナ政府は教育やメディアにおける現地語使用の擁護と促進に力を入れてきたが、2002年、それまでの初等教育3年間の現地語による教育を廃止し、全ての教育課程において教授言語を英語とする、という方針を発表した。なぜ長期に亘る現地語復興の試みは成功しなかったのか、現地語による教育の実現は可能なのか、そのために克服しなければならない問題は何かについて考察した。
- 「アカン語」
- 塩田勝彦編『アフリカ諸語文法要覧』(2012年、溪水社)所収
- アカン語(ガーナ、ニジェール・コンゴ語族)の音韻、形態、文法を概説した。
- 「標準語をもたないリンガ・フランカ—ガーナ、アカン語」
- 砂野幸稔編『多言語主義再考—多言語状況の比較研究』(2012年、三元社)所収
- 多言語国家ガーナにおいて、民間レベルで全国的に勢力拡大を続けるアカン語による国家統一がなぜ成功しないのかについて、英語や他部族語との関係、アカン語諸方言間の関係から論じた。
- 「一つの言語とは何か—ガーナ、アカン語の例から考える—」
- 岩佐和幸・岩佐光広・森直人編『越境スタディーズ―人文学・社会科学の視点から―』(2015年、リーブル出版)所収
- 「言語」は日常では明確な用語として使われるが、専門用語としてはあいまいな概念である。実際には音韻や語彙、文法的にさまざまな違いが存在するにも関わらず、なぜ人々は同じ「○○語」を話すという意識を共有するのか。ガーナの「アカン語」の例から考察した。