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コンサートにて

全ては、繋がっている

浜 端 庸 平 (2006年3月卒業)

沖縄の昼 私が初めて高知の地を踏んだのは、もう4年も前のことです。親戚も知り合いもいない、全くの未知の地に居を移すことは、並々ならぬ葛藤がありました。新入生になるであろう皆さんにも、それは言えることだと思います。でも、ここ高知大学で、私はかけがえのない時間と、素晴らしい出会いを幾度となく繰り返してきました。

 高知大学を卒業した後、今私は、沖縄で働きながら、音楽活動をしています。出身が沖縄であるわけではなく、会社の配属先で沖縄に来たわけでもなく。ただ、沖縄という場所に魅かれたからです。
 現在音楽活動をしている、と書きましたが、具体的に活動を始めたのは3回生の終わりごろからでした。それまでは、趣味程度のレベルでギターを弾いて歌ってはいましたが、特に音楽でやっていこうとは思ってもいませんでした。現在のように、本格的な活動に踏み出すきっかけをくれたのは、高知大学の卒業生の方でした。その方の勧めもあり、ライブハウスでの活動を始め、音源を作り、メジャーアーティストとの共演や、インディーズレーベルからの誘いなど、活動を始めてから卒業するまでの約1年で、様々なことを体験しました。今でははっきりと、音楽を志していますと言えるようになりました。

沖縄の月 沖縄との出会いも、ひょんなことで知り合った大学の先輩が、馬鹿がつくほどの沖縄狂いであったということでした。見事に「オキナワ」に引きずり込まれた私は、次の夏休みにはもう沖縄の地に足を踏み入れていました。彼との出会いがなければ、沖縄に住みたいとは思わなかったと思います。
 この二人に限らず、ここ高知という場所で、私は今の自分に大きく影響する人々と、たくさん出会ってきました。そしてそれは、高知だからこそ出会えたものだと確信しています。私は、大学に来る人は、社会に出るまでに4年間の猶予をもらった人だと考えています。高校を卒業する時点でやりたいことが決まっている人は、専門学校に進学するか、あるいはすぐに就職するでしょう。でもそうやって自分の進む方向をすぐに見つけられる人は今、そうはいません。だからこそ、大学にいる4年間でそれを見つめ、実行に移してほしいと思います。

 どんな人に出会うか、どんな出来事が起こるかは、全て自分次第です。たくさんの物事に出会うために、想像を現実にできる行動力を持ってほしいと思います。そうやって積み重ねた出会いや出来事は、その後の自分に、きっと少なからず影響してくるはずです。

全ては、繋がっています。

繰り返す出会いと経験の一瞬一瞬を見逃さず、その先へと続く道を、この高知大学で見つけてほしいと思います。

(2006年7月)


「ヨウヘイ」(公式ホームページ)