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「日本語教師」という経験

宮 川 る い (2006年3月卒業)

私が高知大学の国際社会コミュニケーション学科に入学したのは、「日本語教師」という夢を持っていたからでした。この学科には、日本語教育分野に加え、語学の授業も多くあると知り、入学を希望しました。
 実際に大学に入ってからは、日本語教育の基礎に加え、中国語や英語、韓国語なども選択しました。三年次になると日本語教員養成コースに属し、専門的な知識も学ぶようになり、それらの授業に加え、語学も英語を中心に四年間学習を続けました。たくさんの授業を受けるのは大変でしたが、卒業時には日本語教員養成コースも無事に終え、中学・高校の英語の教員免許を取得することもできました。自分ながら、よく頑張ったと思います。

日本語実習風景  このような生活の中で、もっとも印象に残っているのが、海外でおこなわれた教育実習です。日本語教員養成コースの授業の一環として行なわれるこの実習は、海外の大学で学生を相手に私たちが日本語を教えるというものです。教師として過ごすこの二週間は、非常に勉強になりました。一年に一度行なわれるこの実習には、養成コースのほとんどの学生が一度だけ参加します。でも、一度目の実習で楽しさを知った私は、二年目も参加しました。二回とも韓国の大学を訪問し、ホームステイや異文化体験もしながら実習を行ないました。
 韓国の学生たちに、いかにわかりやすく日本語の授業を行なうか、どのような資料を用いれば良いのかなど、日々検討しながらの実習でした。勿論失敗もしたのですが、それ以上に多くのことを学ぶことができました。またその実習を行なうことで、海外の友人も作ることができました。今でも彼らとの交流は続いており、実習に参加して良かったと心から思っています。

 現在、私は銀行に勤務しています。一見日本語教師とは無関係のようですが、この職に就いたきっかけも海外の友人でした。彼らと親しくなり、多くの話をするにつれ、彼らの大きな悩みの一つとして経済上の問題があるのに気づきました。そのような彼らの助けが少しでもできたらと思い、この職を選びました。

 大学生活で得た多くのことが、今の私の基盤になっています。高知大に入学していなかったら、また別の道を歩んでいたかもしれません。しかし、高知大に入学し、ここで学生生活を過ごしたことは、私にとって本当に良い経験だったと思っています

(2006年7月)


「日本語教員とは」
"Nihongo Practicum: Teacher Training in China"(Campus News 2007より)