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高知大学に入学して ~高知大学で得た多くの出会い~

S. T. (2006年4月入学)

高知大学に入学してからのこの4ヶ月は、常に出会いと自分発見の日々だった。そして悩み苦しんだ日々だった。私には中学生の頃から抱いていた望みがあった。留学するということだ。そしてオーストラリアに留学する!!というのが私にとっての大学生活での目標になった。オーストラリアのなかでもクイーンズランド大学にインスピレーションを感じていた私にとって、「クイーンズランド大学と提携している」--高知大学の魅力は最初はこれだけだった。日本語教師になるために有利な授業が取れること、比較的田舎であることも理由の一つだったが・・・。入学当初、私はオーストラリアに留学することができなければ、高知大学に来た意味がなくなってしまうような感じがしていた。それに固執することからくる不安でいっぱいだった。

そして今・・・。
黒潮本陣にて 「留学するだけなんてもったいない。高知大学ではその他にもたくさんのものを得られるし出会いがある」と入学当初とは違う思いを持つ自分がいる。それは4ヶ月という短期間に、本当にたくさんの人(しかもその人たちはそれぞれが違う興味や人柄)と出会い、話を聞くことができたことと大いに関係している。

私はどのような人たちと出会い、そこにどんな心の変化があったのだろう。

 私にとって高知大学での最初の出会いは、4月1日、先輩たちが新入生のために企画してくれた「こっち来い」というイベントでのことだった。そこで出会った一人の友人。今となってはいろいろな面で私を助けてくれる大切な友人だ。そして入学式から早くも始まる先輩たちとの交流。その後も彼らはまだ何もわからない私たちに履修登録のアドバイスをしてくれたりイベントを企画してくれ、そこで多くの友人を作ることができた。私がそんな先輩たちとの出会いで何よりも強く感じたのは、今まで自分が出会ったことのないような方法で一人ひとりの先輩が輝いていたことに対するとまどい。こんな人生もあるのだと、高知大学に来て最初に感じた瞬間だった。

 だが、やはりこの4ヶ月間私に感銘を与え続け、一番私を変えてくれたのは、「自律協働入門」という一つの授業での出会いだった。今年から始まった実験的な授業で、自分たちで授業を作っていくのである。受動的でなく、主体的に参加できる。そういう点に惹かれて登録した演習形式の授業だった。社会人の方たちにインタビューし、その中で自分のやりたいことを見いだし、大学でのこれから四年間の動機付けを高めていく。インタビューやそれをまとめるのは全てグループで。この授業で出会った個性あふれるグループの仲間。私に常にパワーを与えてくれるのはこの授業で出会った友人たちだ。自分の目標に向かって頑張っている彼らの姿を見ていると、私も励まされる。
 そしてインタビューに応じてくれた社会人の「師匠」の方々。自分の魅力を目いっぱい放っていた。自分の考えていることを、一生懸命私たちに伝えてくれた。「人のために」。社会人である師匠たちが教えてくれたことの一つだ。私が出来ていないと感じたこと。これから大切にしなければならないと感じたことだ。今まで一生懸命になれたことは自分のためだったと気づいた瞬間だった。こんな風に、社会人の方々は自分の人生を真正面から語ることで、私にアイデアを与えてくれると同時に、いつも私に課題を残していった。この方たちとの出会いで、私はよりたくさんの人生を知り、いろんな道があることを知った。そして少し自分の考えがやわらかくなるのを感じている。

 「出会い」という点で最後に紹介したいのは、私の興味を更に広げてくれている高知大学の先生たちだ。授業を通して、また、何気ない話のなかで私の興味は更に広がっている。大学になれば当たり前なのかもしれないが、実に多様な先生方がいて、刺激もいろんな方面から受けまくり。LL教室、留学センター、保健管理センター、メディアの森の方々にもかなりお世話になり、支えられている。

 こうしてこの4ヶ月間、新しい人と出会い、多様な人と行動をともにするたびに自分を発見し、課題を突きつけられて日々は過ぎていった。その度、やろうとしたことができない自分に悩んだり、自分は今なにをすればいいのか!?と苦しんだりもした。そして今もそれが解決されているわけではなく、これから自分の課題として付き合っていかなければならない。

「自分は自分」。

今出ている結論といえば、それだけだ。私は今年の夏、「スラム」、「発展途上国」、「貧困層とそうでない地域の格差」。これらを自分の目で見るためスタディーツアーでタイに行く。これからの自分だけでなく、誰かの未来にも繋がるものを得てきたい。

 最後に、これだけは自信を持って言うことができる。「高知大学ほど出会いが得られる場所はない!!皆さんの好奇心と行動力をフルに活用すれば」と。