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寺院にて

毎日がスタートの日々

柴 田 玲 菜 (2007年4月入学)

高知大学に入学して、はや四ヶ月が経とうとしている。

子どもたちと 思い出してみると、一日一日が濃く充実している毎日だった。泣いたり、笑ったり、落ち込んだり、悩んだり…そのすべてが自分を成長させてくれるエネルギーとなり、そのすべてが「行動」へのきっかけとなっている。
そして私は大学に入って、自分自身が大きく変わったような気がする。以前から私は、いろいろな角度からものごとを見ることができる視野の広い人間になりたいと思っていた。しかし、実際の自分は、自分の考え方に執着するばかり。自分の意見と相手の意見が違うと、それだけでもう投げ出していた。

でも今は違う。自分と違う意見を持っている人だからこそ、その人やその意見が面白く興味深くてしかたない。そういうふうに自分が変わったとするなら、そこには人との出会いが大きく関係しているだろう。
入学してから様々な人に出会い、多くの話を聞いて、自分という人間を考えることができるようになった。今までは自分の考えや思いをぶつけても、相手から何かが返ってくることは少なかった。他人に気持ちをぶつけることが無意味なように感じられた。だが、大学に入って知り合った人たちは違う。友だち、先輩、先生、社会人の方…。そんな人たちと触れ合っていくなかで、「自分はこういう意見だけれどあなたは?」と、意見を求められるようになったからだ。最初は、思っていることをうまく言葉に表すことができなかった。自分の思いを分かってもらえなかった。歯がゆかった。悔しかった。そして私は、「相手にわかりやすく自分の思いを話すこと」の難しさと面白さを知った。自分の考えを持ち、それを人に伝えるには、知識はもちろん、それ以外にも多くのことが必要とされてくる。これからこの学科で学び、そして多くの人と接する中で、自分自身も成長していきたい。

仲間と こうした日々を過ごすのに、友人という存在は欠かせない。様々な思いを持った友人たちがそばにいるから「夢」を「目標」に、「目標」を「実行」に移すことができる。ありがたいことに、私の周りにはパワフルな人間がたくさんいる。後期から留学する学生、授業以外で韓国語を学んでいる学生、部活やサークル、バイトや遊びに全力投球の学生。みんなそれぞれの分野で一生懸命動いている。みんな違ってみんな素晴らしい。

 もちろん、授業も私にとっては魅力のひとつだ。とある授業では、本をたくさん読まされたが、時代によって国際社会は様々に変容し、歴史、政治、経済は繋がっているということを改めて考えることができた。国際協力に関する授業では、国際社会という舞台で実際に活躍している講師の方々から大変勉強になる話を聞くことができ、モチベーションが更に高くなった。そういった先生やJICAの方のサポートのもと、国際関係に興味を持っているメンバーでサークルを作ろうという話も出ている。このように授業も、自分を成長させてくれる場のひとつとなっている。

 たった四ヶ月の間に多くのことを知り、考えてきた。まだまだ知りたいこと、学びたいことはたくさんある。「発展途上国」、「経済発達の裏にある問題」そして「日本との関係」という三つのキーワードを心に抱いて、私はこの夏、タイへスタディーツアーに行く。理屈だけで解決できない問題を実際に目で見て五感で感じてくるつもりだ。

 何が得られるか? それはまだまだ未知数だけど、この大学という「動ける場」をフルに活用して「動いて」いきたい。

(2007年7月)