教員紹介
Faculty Members

 

【国際社会コース】 グローバル社会プログラム

森 直人(もり なおひと)

 

専門

社会思想史

社会思想史研究の方法や対象には一定の多様性があります。私なりには、人間の社会について、過去の思想家たちが歴史の中でどんな知恵を残したか、特に思想家を取り巻くさまざまなコンテクスト(文脈)を重視しながら探究する分野だと理解しています。私の研究対象は18世紀スコットランドの思想家たちで、特に哲学者・歴史家のデイヴィッド・ヒュームが人間と社会とその歴史についてどう考えていたのか、批判的な視点も交えて読み解こうとしています。最近は、世俗と宗教をめぐるヒュームの思想について、18世紀のスコットランドと現代の日本の双方の文脈に意識を向けながら考えています。

 

 

主な授業題目と内容紹介

近現代社会の思想とメディアI(プラットフォーム科目)
この授業では、現代のグローバル社会の思想史的な背景として、「近代社会」に関わるヨーロッパの諸思想について学びます。それと同時に、これらの思想が持つさまざまな問題、例えば「主権国家」と「商業社会」の思想に伴う問題などについても考えます。現代のグローバル社会の構造と問題について、思想史的に遡って学び考えることが、この授業の目的です。
社会思想史(専門選択科目)
この授業では、特定のトピックに即して社会思想史を学びます。例えば主権、商業、政党政治、啓蒙と宗教といったトピックを設定し、その現代的な意味、歴史的な背景、関連する思想家の生涯とその思想の内容などについて、社会思想史の標準的な知見や最近の研究などに触れながら解説します。

卒業論文題目例

・『教育に関する考察』を通して見えるジョン・ロック
・イブン・ハルドゥーンとデイヴィッド・ヒュームにおける文明社会―「連帯意識」と「コンヴェンション」、そして宗教と奢侈について―
・大衆文化と政治思想の関係 ―ヴァルター・ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』を手がかりとして―
・日本生命倫理学の展開に関する思想史的概覧 ―自己決定をめぐる問題圏の成立とその超克を題材にして―
・「新しき村」に関する一考察 ―目的としての生命、方法としてのユートピア実践―