日本語教員養成課程について
International Studies Course

 

 

 

日本語教員養成課程 について

日本語教員とは、日本語を母語としない外国人等に、日本語を教える教員のことです。近年、日本国内の外国人の数は急激に増えており、在留目的も多様化しています。また海外においても多くの外国人が日本語を学習しています。
このような中、専門的な知識を持った日本語教員の需要は高まっており、一言で日本語教員と言っても、国内の日本語学校で留学生に教える、外国人労働者に教える、小・中・高等学校で外国人児童・生徒に教える、地域の外国人にボランティアで教える、海外の日本語学校や大学で教える等、活躍の場も様々です。
高知大学では1998年(平成10年)から日本語教員養成課程を開設し、海外の協定校で教育実習を行うなど独自のカリキュラムを設け、修了者には日本語教員養成課程単位修得証明書を交付しています(本学部の日本語教員養成課程は、「日本語教育機関の法務省告示基準第1条第1項 第13号に定める日本語教員の要件について」に当てはまるものです)。現在も、多くの卒業生たちが国内外で日本語教員として活躍しています。

 

本学の日本語教員養成課程を修了した卒業生のみなさんへ

本学の日本語教員養成課程は、学修した課程の年度によって、「登録日本語教員の資格取得に係る経過措置(https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/93964001_03.pdfの2ページ目)」に対応したカリキュラムとなっていることが、文化庁にて確認されました。

 

●令和2年度(2020年度)以降の入学者:【Cルート】

「必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程等」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/94040601_01.pdf

 

●令和元年度以前入学生は、登録日本語教員の登録申請の手引き(PDF)p.23参考資料1「経過措置ルート判定ガイド」に沿って、ご自身の経過措置のルートをご確認ください。

 

なお、本学の平成25年度(2013年度)〜令和元年度(2019年度)の日本語教員養成課程は「平成12年報告に対応した日本語教員養成課程等」として確認されました。 https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/94040601_02.pdf

 

 

高知県外国人漁業研修センターによる
外国人技能実習生の入国後講習(日本語の授業)にお邪魔しました(2019年室戸)

 

 

在学生・卒業生の声

ブラビジャヤ大学(インドネシア)の日本語教育実習

国際社会コース4年生 森 涼心

私は実習期間中に数回、教壇に立って授業を行いました。1年生の授業はどのクラスもみんな声が大きく発言も多かったため、日本人とは全く違う授業態度だなと驚きました。また、クラス間の団結力も強く、みんな仲睦まじい雰囲気でした。私が授業をした際、どのクラスにも日本語が得意な生徒が数名いたため、理解出来ていない様子のクラスメイトにインドネシア語で説明を行っている場面がありました。そのため、2回目はより分かりやすい授業を目指し、写真やイラストをフル活用した資料作成や、やさしい日本語を強く意識するように努力しました。3年生の授業は、日常会話は問題なく1、2年生と同様に積極的に発言をしてくれました。たくさん発言してくれるため、とても楽しくスムーズに授業を進めることが出来たように思います。プライベートでも積極的に話しかけてくれ、休日も楽しく過ごすことが出来ました。
ブラウィジャヤ大学の学生が日本語を学ぶ理由は様々ですが、ほとんどの学生が日本や日本の文化が好きという気持ちを持って日本語を勉強していました。学習した日本語が日本人に通じることをとても喜び、積極的に授業中に取り組んでくれたので教えがいがありました。インドネシアで日本語を学ぶ彼らの姿から、好きな気持ちを持って学ぶことの大切さを教えてもらうことができた実習でした。

 


 


 

「日本語パートナーズ」に参加して

2019年卒業 島 章恵

私は4回生の時に1年間休学し、“日本語パートナーズ”として、インドネシアの国立高等学校で、日本語教師のアシスタントとして活動しました。
“日本語パートナーズ”とは、国際交流基金アジアセンターが実施している海外派遣事業のひとつで、東南アジアなどの中学・高校などで現地の日本語教師や生徒のパートナーとして、授業のアシスタントや、日本文化の紹介などを行ったりするプログラムです。この日本語パートナーズで、私はインドネシアの高校に派遣され、現地の日本語教師と一緒に協力しながら、アシスタント教師として授業のサポートを行いました。具体的には、会話練習のパートナーをしたり、授業に使う教材の作成などを行ったり、また寿司作りや浴衣体験などの文化紹介を行ったりする事もありました。
慣れない海外での長期生活は楽しい事ばかりではなく、辛い事や大変な事も多々ありましたが、生徒達の笑顔に日々助けられ、最後までやり遂げる事ができました。
日本語パートナーズでの活動を振り返ってみると、日本語教員養成課程の授業や教育実習等で学んだ知識を、海外の教育現場で実践的に活かすことができる良い機会となり、自分自身の成長にも繋がる貴重な経験にもなりました。この経験を活かし、将来は東南アジアにおける日本語教育の普及と発展のために貢献できればいいなと考えています。

 


 


 

海外での日本語教育の魅力

2017年卒業 渡邉かおり

私は2017年に人文学部(人文社会科学部)を卒業後、日本語パートナーズとしてマレーシアの公立中高一貫校での1年間の日本語教師アシスタントを経て、2019年4月よりマレーシア国際イスラム大学(International Islamic University Malaysia)で日本語講師をしています。

私の勤務する大学では「日本語副専攻プログラム」として、入門から初中級までの日本語授業、日本文化に関する講義、ビジネス日本語をすべて履修した学生に日本語副専攻の修了証を発行しています。海外の大学では一般的に、日本語専攻か一般教養科目のどちらかで日本語教育が行われていることが多いのですが、国際イスラム大学のように副専攻という形で日本語コースを開講している大学は珍しいのではないかと思います。日本語を副専攻として学ぶ学生は、主専攻で英語やマレー語、アラビア語、観光学などを学んでいる学生が多く、卒業後は通訳や翻訳、観光分野で活躍することを目指しています。

毎回の授業では、学生から寄せられる色々な質問に、私自身も日本文化を改めて客観的に考えるヒントをもらっています。そして、学生に日本語や日本文化を分かりやすく伝えるためには、マレーシアの文化や言語の理解も欠かせません。海外で日本語を教えることの一番の魅力は、日本の言語や文化を海外に発信すると同時に、日本語教師自身も異なる文化や言語を知ることで学生から気づきや学びを得ることも多い点だと感じます。日本とマレーシア双方向での更なる交流発展に寄与できるよう、これからも頑張りたいと思います。

 


 


 

広がりのある仕事

2014年卒業 來田恵美

私は学校法人エール学園 日本語教育学科で教務として働いています。今の仕事は主に、①中上級クラスの日本語授業、②クラス担任として学生への生活・進路指導、③体育祭など学校イベントの運営、④模擬試験問題の作成、の4つです。基礎を学びつつ、新しいことにも積極的に挑戦できる環境です。
私が日本語教師という仕事を意識し始めたのは、4年次の海外教育実習に参加してからでした。単発ではなく、学生を知り、やり取りを活かした授業をしたいと思ったのがきっかけです。今は数か月、半年と過ごしていくうちに、クラスの個性と教案が切り離せなくなっていくのを感じています。
授業は日本語能力試験(JLPT)と日本留学試験(EJU)を軸に、語彙、文法、聴解、読解、会話、作文といった科目制で進めていきます。半年前から各教室にテレビとICT教育機器が導入されたため、パワーポイントをはじめ動画やインターネットを利用するなど、授業の手法が広がりました。
留学生は中国とベトナムが半々で、ほかに台湾、韓国、インドネシア、フィリピンといった学生が混じって多国籍クラスを構成しています。半年から2年間勉強して大学(院)や専門学校に進学を希望、就職希望の学生など、目的は様々です。
留学生達の共通言語は日本語です。国籍も、年齢も、留学目的も異なる学生達が日本語でコミュニケーションを取り、情報交換をしたり冗談を飛ばし合ったりして仲を深めていく様子は、私にとってこの上なく楽しい光景です。

 


近年の教育実習先

海外:韓国(釜山外国語大学校)
   インドネシア(ブラビジャヤ大学)

国内:龍馬デザイン・ビューティ専門学校
   明徳義塾高等学校
   高知県国際交流協会