教員紹介
Faculty Members

 

【国際社会コース】 グローバル社会プログラム

中西 三紀(なかにし みき)

 

専門

ラテンアメリカ経済論、チリ経済論

メキシコ以南の地域をラテンアメリカと総称します。私はこのラテンアメリカ経済について、より具体的にはチリの経済、特にチリ農業について研究しています。1980年代以降、新自由主義に基づく経済政策が徹底されたチリでは、グローバリゼーションの波にも積極的に適応し、また巨大多国籍企業と歩みを共にしつつ、ごく短期間のうちにブドウを中心とする生鮮果実およびワイン輸出国へと成長していきます。こうした変化がチリの農業構造をどのように変化させたのか、チリ農村部にどのような影響を与えているのか、新たにどのような問題を惹起したのか、チリの事例から私たちが学ぶことができることは何なのか、といったことを研究しています。

 

 

主な授業題目と内容紹介

グローバル化と地域経済II(プラットフォーム科目)
この授業では、私の分析対象国であるチリを取り上げます。その歴史をごく簡単に振り返ったうえで、その延長線上で、グローバリゼーションの進行と共にチリ経済がどのように変化し、チリ農村部(地域)にどのような影響が現れたのかを解説します。グローバリゼーションを批判的にも検討する視点を提供することを目的としています。
ラテンアメリカ経済社会論/同演習(専門選択科目)
この授業では、植民地時代に遡ってラテンアメリカ経済の特徴を概説し、1990年代以降の新自由主義に基づく経済政策の時代に焦点を当てて授業を進めていきます。ラテンアメリカを事例としつつ、グローバル化の時代を生み出した社会経済的背景、そのもとでの中進国や途上国の変質、新たに生じている課題について検討していきます。

卒業論文題目例

・Carnaval de Oruroから読み解くボリビア先住民の社会参加への軌跡
・米国におけるメキシコ系の就労構造について
・メキシコにおけるCCT条件付き給付金の効果と課題
・ヒスパニックによる故郷送金の効果と課題
・アンデスにおける福音の到来—ラテンアメリカ植民地時代初期のスペイン人とインディオの関係—
・メキシコ女流画家フリーダ・カーロ—波瀾に満ちた生涯と絵画の変遷—
・プエルトリコからアメリカ合衆国へ渡った人々