教員紹介
Faculty Members

 

【国際社会コース】 総合文化プログラム

土屋 京子(つちや きょうこ)

 

専門

西洋文献文化学

文献文化学とは、長い歴史の流れのなかで、そこで実際に生きてきた人がどのように考え、どのようにして文化を形成してきたかを、文献に残された言葉を通して明らかにする学問です。そのうえで、自文化とは異なる文化圏の言語表現に触れるとき、必ずそこに比較文化学的な「対峙」が起こり、世界の見方が拡げられ、人間理解へと繋がることになります。私自身は複数の文献を用いながら、18世紀後半から19世紀初頭にいたる、啓蒙主義からロマン主義にかけてのドイツ語圏の文学、思想、文化を日々研究しており、他領域との接触、また日本との相互影響なども同時に考察しています。

 

 

主な授業題目と内容紹介

欧米諸地域の文化Ⅰ(プラットフォーム科目)
私自身はドイツ語圏文化の研究者のため、講義内容は主にドイツを中心にしていますが、西欧地域の言語・社会・文化を横断し、西欧の多様なあり方を学び知ることができるように、環境保護活動やジェンダー、あるいは想起の文化など、なるべく広く近現代ヨーロッパに関する主要な論点や話題を拾いあげていきます。
比較文化論(専門選択科目)
「翻訳」という営みを学術的に考察することを通して、異文化理解の可能性と不可能性について改めて問い直す授業です。そもそも言葉は、意味を伝達する「手段」としてだけではなく、広く深く複雑に人間の精神的営為と結びついています。「「翻訳する」とは他言語を自言語に変換することである。」一見すると単純にも思えるその行為には様々な問題が潜んでいることを学び知ることを目指しています。

卒業論文題目例

・『グリム童話における継母のモチーフについて』
・『フランス語における借用語の諸相―kamikazeから考察する日本語との関わり―』
・『異文化の理解と受容―日本アニメ映画の字幕の可能性―』
・『藤井風の楽曲から見るJ- POPの傾向』
・『NFTアートが現代アート界に及ぼした影響について―日本固有のメディア芸術の再創造へ―』
・『凪良ゆうの作品における共食のモチーフについて―現代日本社会の幸せを問い直す―』
・『ゲームにおける虚構の時間―『ペルソナ3リロード』(2024)をめぐって―』