教員紹介
Faculty Members

 

【人文科学コース】 文芸・思想プログラム

渡邊 ひとみ(わたなべ ひとみ)

 

専門

発達心理学

発達心理学は、人生のあらゆる発達段階(乳幼児期~高齢期)を対象とし、こころの発達過程や各段階における心理的特徴を明らかにする学問です。自己(self)やアイデンティティ(identity)の発達が私の専門で、「過去のネガティブ経験が自己形成にどう影響するのか」「ネガティブ経験にどのようなプラスの意味を見出すと精神的健康につながるのか」といった点を明らかにすべく研究を進めています。また、他者の不幸に対する喜び感情(シャーデンフロイデ)を友人と共有する行為についても研究しています。他の心理学領域(私の場合は、健康心理学や社会心理学など)の視点も取り入れながら、比較的自由に研究できることが発達心理学研究の魅力です。

 

 

主な授業題目と内容紹介

認知発達心理学(専門選択科目)
各発達段階における心理的特徴や変化を幅広く学びます。主に、乳幼児期から青年期までの時期に着目し、親子間の愛着(アタッチメント)や養育態度が子どもの発達に及ぼす影響、道徳性やアイデンティティの発達、そして発達障害・学習障害について解説します。さまざまな理論や立場から多角的に学ぶことで自他への理解を深めます。
発達心理学演習Ⅰ・Ⅱ(専門選択科目)
発達心理学に関連するテキストや論文を講読します。先行研究知見はもちろんのこと、発達心理学に特有の研究法や分析手法、学術論文の書きかたの基礎を学びます。また、毎回のディスカッションを通して論理的思考能力を身につけ、卒業研究の立案も行います。

卒業論文題目例

・養育態度が大学生の容姿志向性に与える影響:特性不安と社会的比較志向性の媒介効果
・誰がなぜヒッチハイカーを乗せるのか:性格特性とリスクテイキングに着目した半構造化面接
・筆記による物語創作は気分を向上させるのか
・錯視効果をもつアイメイクと顔の魅力度の関連
・完全主義は主観的幸福感を低下させるのか:ストレスマインドセットの媒介効果に着目して
・知的ギフテッド児の保護者における困難の検討:家庭内の関わり合いに着目して
・失敗観がアイデンティティとストレスに及ぼす影響
・児童館における遊びの制限の有無と小学生の居場所感:半構造化面接法による検討