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【人文科学コース】 文芸・思想プログラム

福島 尚(ふくしま ひさし)

 

専門

日本古典文学(院政期・鎌倉期の説話研究を中核とする)

日本中世文学、その中でも「説話」研究を中核に、その関連分野をもあわせて研究している。「説話」とは、伝承される話のこと。分量的には短篇であり、何らかの主題(テーマ)を伝えるために、そのテーマに合わせて表現が組み立てられて生成し、そして、それが伝承されてゆく、情報を伝えてゆく媒体(メディア)としての役割を持つ。「説話」は、それが集成・編纂されて(例えば、『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』のような)「説話集」の形態をとるのみならず、さまざまなジャンルの文学の基盤に、地下水脈のように説話伝承の世界が存在して、その表現世界と絡み合っている。日本の中世は、媒体としての説話の働きが顕著な時代である。

 

 

主な授業題目と内容紹介

日本文学論Ⅰ(専門選択科目)
『平家物語』を取り上げ、その作品としての特質や、後世における享受・影響などについて言及しながら、その特質について考察する。
日本古典文学論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(専門選択科目)
『伴大納言絵巻』で有名な伴善男の説話や、『今昔物語集』の説話などを対象に、その生成と伝承のありさまを追跡し、説話の生態を考察する。また、『方丈記』を対象にその構成・表現様式に着目した作品研究をおこなう。

卒業論文題目例

・『日本霊異記』と女
・『今昔物語集』巻二十七における「人食い鬼」の考察
・『方丈記』における主題と構成についての考察
・『発心集』における心の問題
・『平家物語』における平重盛の人物像とその描写について

その他

【写真】伴大納言絵巻(模本)より、〈話の伝播〉
出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://colbase.nich.go.jp/media/tnm/A-11871/image/A-11871_E0047004.jpg)