主な授業題目と内容紹介

福祉経済論Ⅰ（専門選択科目）

経済的に豊かであるとされる日本で貧困や経済格差が広がり、深刻な問題となっています。現代社会においては、個人の問題や自己責任とされがちなこうした問題を社会的かつ構造的な問題として捉える視点が重要です。この授業ではまず、貧困や経済格差の量的・質的な変遷と現状について学びます。また、雇用や教育における格差について、統計や調査データをもとに考えます。さらに、セーフティネットの役割を果たす制度のしくみを理解し、その問題点や政策課題を考えていきます。

社会保障論（専門選択科目）

社会保障制度はすべての人に必要な大切な制度です。しかし、制度について十分に理解されていなかったり、いざ使おうとすると使えなかったり不十分だったりします。一方で、政治的・経済的な文脈で議論され、生活者の実態からは遠いところにあるように感じます。この授業では年金、医療、介護を中心に、制度の形成や発展過程をふまえ、その機能・役割を学びます。さらに、制度の実態から財政・運営に関する構造的な問題や政策課題を考えていきます。

卒業論文題目例

・「介護労働の実態と課題　―介護従事者に対するアンケート調査から」（学部長奨励賞受賞）
・「高齢者世帯における老後の最低生活保障　―生活保護制度と基礎年金制度の整合性を考える」（学部長奨励賞受賞）
・「無医地区の概要と医療ニーズおよびアクセスの現状　―仁淀川町におけるヒアリング調査より」
・「子どもの貧困対策におけるレジリエンス教育の可能性　―子ども食堂での取り組みから考える」（南冥会賞受賞）
・「日本の技能実習制度の現状と課題　―海外比較を踏まえての新制度に関する考察」（南冥会賞受賞）
・「コロナ禍での子ども食堂の開催形態の移行と『こども食堂こうち』における食材支援の実態」（南冥会賞受賞）