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【社会科学コース】 法律・政治プログラム

岡田 健一郎(おかだ けんいちろう)

 

専門

憲法、ビジネスと人権

これまでは主に憲法を研究してきました。特に関心があるのは民間人や企業の間での人権侵害であり、憲法学では「人権の私人間効力」と呼ばれています(例えば、SNSにおける「表現の自由」と「名誉・プライバシー」の衝突)。近年ではいわゆる「GAFA」などの巨大プラットフォーマーが国家を超えるような影響力を持つようになり、その中でどのように市民の人権を守るかが重要なテーマです。その関連で、最近は国際人権法における「ビジネスと人権」についても研究しています。例えば、高知では農林水産業などで多くの外国人労働者が働いており、そこでの人権保障についても関心を持っています。

 

 

主な授業題目と内容紹介

憲法Ⅰ(プラットフォーム科目)
憲法は大きく分けると「人権(表現の自由、職業選択の自由、生存権など)」と「統治機構」の二本柱から成り立っています。民法や刑法などと比べ、多くの人は憲法を日常生活や仕事で意識する機会は少ないかもしれません。ですが、憲法はそれらの法の基盤となるものであり、一人の市民として知っておく価値はあると思います。 憲法Ⅰでは主に人権を取り上げます。比較的身近な問題を取り上げ、人権を保障する必要性や、今の社会で人権が果たしている機能などについて考えます。
憲法Ⅱ(専門選択科目)
憲法Ⅱでは主に統治機構(国会、内閣、裁判所、地方自治など政治の仕組み)を取り上げます。今の日本でそれぞれの組織がどのような役割を果たしているのか、また、どのような問題点があるのかなどを考え、政治が動いていく上で大事なルールの理解を目指します。

卒業論文題目例

・公務員の労働基本権の問題点と海外との比較
・死刑と憲法:今後の日本の死刑制度について
・犯人視報道とそれに伴う報道被害の救済
・同性婚は認められる必要があるか:日本の同性婚と憲法
・有害図書指定制度における合憲性の検討:憲法21条と憲法31条を中心に
・NHK受信料制度について:違憲性と今後について
・生活保護制度と生存権保障のあり方:生活保護基準の引下げにおける司法審査