
高知大学人文社会科学部
教員紹介
Faculty Members
【社会科学コース】 法律・政治プログラム
稲田 朗子(いなだ あきこ)
刑法学
刑法学が専門です。特に刑法総論の違法論や責任論で扱う問題を中心に研究しています。かつて、旧優生保護法により、いわゆる「断種」が、特定の人々を対象に「合法化」されていました。このような「悪法」により合法化されてきた人権侵害についての責任の一端が、刑法学に存在した(あるいは存在し続けている?)のではないか、ということを考え、研究をはじめました。その原因は、どこにあるのだろうということを考えていくなかで、医事刑法や治安立法などにも問題関心が広がってきています。また、高知で実際に起こった交通事犯とされている事件について、専門演習のゼミ生及び他大学の研究者やゼミ生の皆さんと、共同研究を続けています。
・犯罪報道の現在地 —実務の視点から実名犯罪報道の今後を考える—
・戦争犯罪における「政治性」と「侵略の罪」の再検討 -草の根における平和への活動を手掛かりに-
・非行少年の立ち直り支援体制に関する考察―被害者としての側面に着目して―
・監視社会とどのように関わっていくべきか ―共謀罪の検討から―
・死刑存廃論における被害感情の位置付けに関する考察
・入口支援と出口支援についての考察 -高知県における実態調査から―
専門演習での学修の成果として、毎年刑法ゼミ独自の論文集を作成しています。編集作業も、ゼミ生が行っています。