国際社会コースでの「活動」をご紹介いたします。
日本語パートナーズとは独立行政法人国際交流基金の派遣事業で、主に東南アジアで現地の日本語教師のアシスタントや現地の生徒のパートナーとして活動するというものです。(https://asiawa.jpf.go.jp/partners/)将来、海外で日本語教師になろうと考えている私にとって、この日本語パートナーズは必ず役に立つと思い参加しました。
私の派遣先は、インドネシアの西ジャワ州にあるブカシという町で、その町にある高校で、2022年8月から翌年の3 月まで、半年間日本語教師アシスタントとして活動しました。その活動内容や感じたことをお伝えします。
学校では現地の日本語教師と共に日本語授業に出て、ティームティーチングを行いました。授業では日本語ネイティブとして日本語の発音モデルや、現地の先生と会話のモデルをしたり、机間巡視をして生徒が正しいひらがなを書くことができているかどうかをチェックしたりしました。
また、1か月に1回の頻度で文化紹介の授業を行い、折り紙や書道、生け花、年賀状などの日本文化を生徒に体験してもらいました。
さらに授業の中では教科書の学習するトピックに合わせて、自分が通っていた高校、自分の住んでいる町さらにアルバイトのことなど、パワーポイントを使って紹介する「マイストーリー」も行っていました。授業中は基本的に日本語を使い、文化紹介やマイストーリーで説明をするときはインドネシア語と日本語の両方を使って説明していました。
インドネシアは熱帯性気候で乾季と雨季しかないため、派遣期間中はずっと暑かったです。私が派遣されていた時期は8月から3月で雨季と被っており、洪水が起こるほどの大雨に何度も見舞われました。私の派遣校では頻繁に洪水が起こり、何回か途中下校になったことがありました。生徒の中には途中下校の放送が入るとテンションが上がり、洪水でプールのようになった校庭にダイブしている生徒もいました。
インドネシアの公用語はインドネシア語のため、普段の生活ではインドネシア語を使って生活をしていました。インドネシア派遣前にインドネシア語の数字や基本的な会話表現、文法などは事前に学習して出発したのですが、インドネシアに到着して間もないころは現地の人が話すスピードについていけず、コミュニケーションをとるのに苦労しました。しかし、会話の中で聞き取れないときには正直に「もう一回言ってください」と言ってコミュニケーションをとっているうちに少しずつ慣れていき、日
本に帰国するころには初めて会う人でも簡単な会話を楽しめる程度にまで上達させることができました。インドネシア人は非常にフレンドリーでいつもニコニコしている人が多いため、知らない人でも話しかけやすかったです。
食べ物についていえば、インドネシア料理には辛く味付けしてある食べ物が非常に多く、もともとお腹の弱い私は派遣期間中何度もお腹を壊していました。インドネシアには「サンバル」という唐辛子を使った調味料があります。多くの料理にその「サンバル」をかけるのですが、私はいつも汗をかいてひーひー言いながら食べていました。唇と舌が痛くなるほど辛いのですが、慣れるとおいしく感じます(笑)
私は派遣校で11 年生と12 年生(日本の高校2 年生と3 年生)に日本語と日本文化を教えていたました。教えていた12年生の中に、今までひらがなが読めなかった生徒が、自分が派遣校に来てからひらがなを読めるようになったという生徒がいました。この経験から、外国語の教師が生徒の外国語学習のモチベーションを高めるには、文法や発音などの言語的な部分だけを教えるのでは不十分で、その言語が持つ文化も織り交ぜながら教えることによって、学習者は外国語学習を楽しむことができ、それが外国語学習のモチベーションの向上につながることを学びました。
将来は日本語教師として、このインドネシアでの大切な気付きを生かして、日本語プラス日本文化を日本語学習者に教えて、学習者が楽しみながら笑顔になれるような授業づくりをしたいと思います。
掲載日 2023.9.7