古本湖美（こもとひろみ）さん
2010年度　国際社会コミュニケーション学科（現国際社会コース）卒業

 

【現在の仕事】

NHK(日本放送協会)で記者をしています。つまり、テレビ局の記者です。NHKのニュースでアナウンサーが読んでいる原稿や、NHKのWEBに載っている記事を書いています。原稿を書くうえで、日々さまざまな人に話を聞く＝取材をして、仲間と協力しながら毎日の放送を出すために働いています。NHKは全国に放送局があるので、これまで岡山、大分と赴任し、事件・事故などの警察取材、県や市などの行政取材、スポーツ取材、そしてそれぞれの地域で課題となっていることを自分の視点で掘り下げる取材などをしてきました。2018年から東京に赴任し、今は、東京都庁の担当として、知事の動きや新型コロナの施策など都政を取材する毎日です。最近では、東京オリンピックで競技の取材ができたことがとても大きな思い出です。

 

 

 

【高知大学を志望した理由】

国際的なこと＋社会的なことを学びたい、という漠然とした考えに合致していたのが人文学部(現・人文社会科学部)でした。そして、オープンキャンパスで感じた土佐の“THE　自由”な雰囲気が決め手となりました。

 

 

【高知大学で良かったこと】

まさに、その“THE　自由”な雰囲気のとおり、私のやりたいことをやらせてくれる環境があったことです。そして、自分と同じような志をもった仲間がたくさんいたことです。

 

 

 

【大学時代はこんな生活】

大学時代は、硬式野球部に入って唯一の女子選手として男子とともに汗を流しました。高校でもやっていた野球ですが、諦めがつかなかったため大学でも門を叩き入部。しかしそんな甘いものでもなく、いつ辞めようかと悩み苦しむ日々でしたが、負けず嫌いな性格が功を奏し(?)、仲間に支えられながら最後まで続けることができました。切磋琢磨することの大切さ、諦めないことがもたらすものを学んだ気がします。また、大学の部活という、自分たちで運営していくことの楽しさも勉強することができました。
ただ、一方で野球だけの大学生活は送りたくないというのが本音でした。そのため、野球の傍ら、自分の興味のあった国際協力のサークルを同じ志をもった学部の友人たちと一緒に新たに立ち上げました。どうすれば海外の貧困がなくなるのか、日本は世界の国々に対してどういう行動を取らなければならないのかなど、かなり大きなテーマでも日頃から友人たちと身近なテーマに関連付けて話し合い、何から行動に移せばいいのか議論してきました。このことは、私にとって本当に大きな財産となっています。今でもその仲間たちとは連絡を取り合っています。このほか、タイへのスタディーツアーの参加、ゼミでの議論、バイトなどなど、大学でしかできないことを存分に楽しもう！という精神で、欲張りな学生生活を送りました。

 

 

 

【大学で学んだこと】

１番は、やはり「自分が何をやりたいのか、日々問いながら行動していく力」です。野球やサークル、そしてゼミなどを通して多くの仲間や先生に恵まれました。その仲間や先生たちと語り合うことで、自分の考えを明確にするとともに、自分と異なる考えも学んでいく。そしてそこから気づきを得る。そして、小さなことから行動に移してみる。その繰り返しが、今の私の基礎となっています。

 

 

【今の仕事に通じること】

大学の仲間や先生たちとの語らいで学んだ「今世の中で何が問題となっているのかを考え続けること」は、記者という仕事の根幹となっています。そして、そこから行動すること＝取材して世の中に問うことは、まさに今の仕事そのものです。

 

 

【メッセージ】

今はいろいろな悩みや迷いがあると思います。でも、やりたいこと・興味のあることがあるならぜひその道を突き進んで欲しいです。道に迷いそうになったら、仲間や先生と語り合ったらいい。そうすれば自ずと道は見えてくるはずです。一方で、考えがしっかり定まっていなくても、漠としたままでもいい。とにかく考えてみる、動いてみることを日々やめないことが大切だと思います。それができる環境が、高知大学にはあると思っています。大学４年間は、自分の行動次第で、本当にどうにでもなる４年間です。おそらく今自分が何をしたいのか、分からない人も多いと思います。でもとにかく考えて動いていれば、いつか目の前の景色が変わってくるはずです。何でもチャレンジできる高知大学で、学びのある、素敵な４年間を過ごしてほしいと思います。

 

▽古本湖美（こもとひろみ）
▽勤務先：NHK（日本放送協会）
▽大分県出身
▽人文学部国際社会コミュニケーション学科卒業
▽2022年3月　掲載